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【ワインの詳細】

ワイン名: ピノ・ネロ・バルテナウ・サントゥルバーノ Pinot Nero Barthenau Vigna S.Urbano

年号: 2016

生産者: ホフシュテッター Hofstätter 

URL: https://www.hofstatter.com/it/wines/barthenau-vigna-s-urbano/

生産初年度:? 

平均生産本数: ? 

ブドウ品種:ピノ・ネーロ 100 % 

土壌性質: 粘土、石灰、斑岩および細かい砂利の集塊。

畑の名前: ヴィーニャ・サントゥルバーノ(マッツォン)

畑の向き: ? 

畑の大きさ: ? 

畑の管理形態: 自社畑 

平均海抜: ? m s.l.m. 

栽培方法: ペルゴラ

平均樹齢: 約65年 

密植度/h: ? 

最大収穫量(resa): ? 

収穫法: 手摘み(小規模専用ケース使用)

発酵&マセレ容器:大樽(75%破砕+25%果房含み)

マセレ温度: 低温(約24時間)

発酵温度:?℃、 

発酵期間:10日間 

樽熟成: 12ヶ月➡︎8ヶ月 

熟成容器: フレンチオーク➡︎大樽

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:8ヶ月 

アルコール度数:13.5 % vol 

酸度: ? g/l 

残糖度:? g/l 

インポーター:スリーボンド貿易株式会社


【試飲情報】

 色合い: 凝縮したルビー

 香り: アメリカンチェリー、ラズベリー、薄いバニラ香、スパイス

 味わい: まとまった味わい、ボリューム感と酸味とのバランスのよさに加え、タンニンも果実味に十分に溶け込んだ印象。

味覚図:  

サービス温度: 17−18℃

マリアージュ: 赤身肉、家禽、ジビエ、熟成したチーズ


いかがでしたか。  

このブログでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、製造工程から味の感じ方まで紹介しております。  

もし気になるワインや生産地、ワインメーカーなどございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。 それでは楽しいワインライフを。


#ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #ピノ・ネーロ #ホフシュテッター #Pinot Nero # Blauburgunder  # サントゥルバーノ


今回はカンティナ情報です。カルダロ湖に近いセッピ社です。

このカンティナを知ったのは2018年にあるワイン商の方から勧められて数種類を試飲しました。その時紹介されたのは白ワインが3種類、赤ワイン1種でした。当時の印象は樽の印象が強く、果実味・甘味先行の口当たりで、好き嫌いがはっきりしそうな作り手だなというイメージでした。しかし同年秋口に行われたある試飲会で、もう1種の赤ワイン・カベルネ・フランを試飲してイメージが変わりました。果実味が十分に凝縮して、フラン独特のヴェジタル感が突出せず、むしろ果実味とのバランスが絶妙でした。味わいもカベルネ独特の後味にかけて広がるボリューム感が特徴的で一気に興味が増しました。ビオディナミを取り入れているところも注目して今回は深掘りしていきたいと思います。

今回もいつもの方にHPの記事を和訳しながら、私の意見も加筆してみたいと思います。ご興味があれば、どうぞ最後までご覧ください。


【生産者概要 Seppi】  

●所在地:カルダロ

●住所:Via Prey 18 A 39052 Caldaro

●URL: https://www.seppi.wine/en/

●創業:2002年  

●プレジデント: ヴェルナー・セッピ Werner Seppi

●エノロゴ: ヴェルナー・セッピ

●アグロノモ: ヴェルナー・セッピ

●栽培面積:?ha 

●栽培形態: グイヨ+ペルゴラ(スキアーヴァ)

●生産ライン:計5種類 

 GWT、PB、SV、Lago di Caldaro、CF

●生産本数: 6133本

●観光:カンティナツアー(要予約) 

●ワイン販売: カンティナ内に併設

●インポーター:なし


歴史

ブドウ畑とカンティナは、湖を臨む美しい村カルダロにあります。ヨーロッパで最も古く、最も有名なワイン産地の1つです。カルダロワインの歴史は1220年まで遡り、"ヴィヌム・デ・カルダロ-vinum de caldaro"と文献に言及され、何世紀にもわたって伝統を守り続けています。

カンティナ・セッピもその生産者の1つで、ワイン作りを何世代にわたって行ってきました。2002年からヴェルナー・セッピ氏が当主として活躍していますが、現在でも高齢である彼の両親も積極的に農作業を行なっています。

長年にわたりさまざまなアイデアを駆使し、より個性的な印象を与えるワインを作りたい。そのような望みが高まり、過去のやり方に囚われず、また環境にフォーカスした独自の路線。そこで彼は2005年、バイオダイナミック農法に転換していきます。

このカンティナの「こだわり」は、畑の仕事、自然及び環境資源との関係でブドウの個性を最大限に引き出すだけでなく、カンティナでの工程から瓶詰めされるまでの「品質」にあります。

ファーストヴィンテージである2016年は、一部のブドウを自社で醸造し、瓶詰めまで行いました。その品質はブドウ品種や土壌を反映するものであり、将来にわたり進化し、成長し続ける第一歩となるでしょう。

ブドウ栽培の歴史と自然との相互関係、そして現代のテクノロジーを加味した上で、積極的かつ責任あるワイン生産が今後の課題です。具体的には土地とブドウとの関係性を追求していくことが目の前

の目標です。


当主:ヴェルナー・セッピ氏(出典)Cantina Seppi HPより


ワインエリア 

古代からの伝統を守るカルダロワイン。そしてカンティナ・セッピもその特徴を再現している生産者の1つです。それはさまざまな地域に点在したブドウ畑「テロワール」を重視したワイン作りを行なっていることにあります。

さまざまな種類を栽培することで、個々の土壌の特性と微気候条件を最大限に活用できます。 カルダロで指定されているブドウ畑の領域を「リーゲル」と言います。イタリア語では「ヴィニェート=畑」いう意味になりますが、ここで育つブドウ畑では歴史的な名前が付けられていることが多く見られます。それでは詳しくフォーカスして行きましょう。


Vigneto PANIGL パニグル

カルダーロの中心部部にあるパニグルは、斜面に位置しており、粘質性の高いシルト(ローム)土壌でモレーン(氷堆石)由来の形成です。ブドウ栽培に最適で「パニグル」という名前は、13世紀から読まれている町の紀要(定期的に出す刊行物)の名前です。また一説には粟(あわ「Panicum-パニクム」)やエノコログサ(猫じゃらし「Setaria glauca-セタリア・グラウカ」)が栽培されていた土壌だったのではないかと伝えられているようです。

栽培品種:ゲヴュルツトラミネール、ピノ・ブラン

(出典)Cantina Seppi HPより


Vigneto PREY プレイ

プレイと呼ばれる土地は、このカンティナがあるメンドラ山塊の麓に広がっています。この土壌は石灰岩由来の砂利で構成されており、メンドラ山塊から降る冷たい風の影響を受けます。「Prey-プレイ」という名前は、おそらくランゴバルド人(ゲルマン系部族)の用語「ブリーダ」に由来し、13世紀半ばにその管理下に委託された小さな農場の名前だとも言われています。

栽培品種:ソーヴィニヨン

(出典)Cantina Seppi HPより  

Vigneto SEE ゼー(ドイツ語の「湖」)

その名前が示すように、カルダロ湖を囲む美しい風景の中にあるブドウ畑。ここでは典型的なペルゴラ式でスキアーヴァ種が栽培されています。土壌は石灰岩由来の砂利と肥沃的な粘土で構成されており、この地域は暖かい南風に影響を受けています。したがってぶどう畑の名前は水域に近いことを示しています。 

Caldaro-カルダロという名前の語源にいくつかの仮説があります。最も可能性が高いのは、「熱いお風呂」という意味のアルペン・ロマネスクの用語「“caldariu”-カルダリウ」との関連があると言われています。

栽培品種:スキアーヴァ

(出典)Cantina Seppi HPより   

Vigneto FELD フェルド 

フェルド(ドイツの「野原」)と呼ばれる地域は、モンテ・ディ・メッツォ(ミッテルベルグ(独))の近くにあり、わずかな傾斜があります。カベルネ・フランは、この肥沃的な砂質土壌で育ち、歴史的にこのエリアは農業目的で使用されていなかった埋め立て地だったと伝えられています。

栽培品種:カベルネ・フラン

(出典)Cantina Seppi HPより



ビオディナミ

カンティナ・セッピが2005年以来続けてきたビオディナミ方法は、18世紀に活躍したオーストリアの哲学者ルドルフ・シュタイナーによって提唱された農業哲学で、セッピでは21世紀の現代にふさわしく適用される形でアレンジを加えながら継承しています。

農作業転換期の初期段階で師を仰いだのがAndrew Lorandアンドリュー・ロランド。彼の教えが支えとなり今日でも復習を兼ねての専門コースなどを受講したり、同僚や専門家との交流を深めたりとウェルナー氏にとって重要な経験を積んでいます。

カンティーナ・セッピの畑では、生物の多様性、その保護と菅理、有用な昆虫の保護と飼育、植物の健康とその強化をテーマにビオディナミ方法が取られています。これは、植物の土の下にも生息する生物にも該当する目的で、そのために専用植物の種をまいたり、バイオダイナミック製剤(シリカホーン、肥料ホーン、堆肥化製剤など)を使用したり、および公式に認定されているイラクサ、カモミール、つくしなどを栽培したりしている。その多くは適切なタイミングの元手作業で行われます。

現在、セッピではEU認定のオーガニックワイナリーとして認められており、デメテル協会による定期的なチェックを受けています。


【品種説明】

 PB:ピノ・ビアンコ(Pinot Bianco) 

SV:ソーヴィニョン・ブラン(Sauvigon)  

GWT:ゲビュルツトラミネール(Gewürztraminer)  

CF:カベルネ・フラン(Cabernet Franc) 


【参考資料】 

Seppi HP 


いかがでしたか。  

このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。  

もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。  

それでは楽しいワインライフを。


#ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #セッピ #カルダロ #ヴェルナー #パニグル #プレイ #ゼー #フェルド

【ワインの詳細】 

ワイン名: カベルネ・フラン・レリアン Cabernet Franc lerian

年号: 2016

生産者: セッピ

URL: https://www.seppi.wine/it/vini-dellalto-adige/?wein=lerian

生産初年度:2016(ファーストヴィンテージ)

平均生産本数: 1300本

ブドウ品種: 100% カベルネ・フラン

土壌性質: 砂質・シルト 

畑の名前: Feld フェルド

畑の向き: 南西向き斜面 

畑の大きさ: ? 

畑の管理形態: 自社畑 

平均海抜: 350m s.l.m. 

栽培方法: グイヨ式(ビオディナミ)

平均樹齢: ? 

密植度/h: ? 

最大収穫量(resa): ? 

収穫法: 手摘み

発酵&マセレ容器:大樽(木製) 

マセレ温度: ? 

発酵温度:自然発酵 

発酵期間:?日間 

樽熟成: 20ヶ月 

熟成容器: ボッテ (大樽)

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:9ヶ月 

アルコール度数:13.5 % vol 

酸度: 5,2 g/l 

残糖度:0,5 g/l 

インポーター:なし


【試飲情報】 

色合い: アメリカンチェリー・ルビー色、縁に若干紫色が残る

香り: 奥行きのあるボリューム感、果実味、ブルーベリー、桑の実、乾燥ハーブ、コーヒー、胡椒

味わい:  味の前半の果実味と酸・ミネラルとのバランスが取れている。味の後半には塩味とともにタンニンが程よく感じられる。

味覚図:  

サービス温度:  17-18度

マリアージュ: 赤身肉、キノコ系お料理、赤ワインソース、熟成したチーズ、


いかがでしたか。  

このブログでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、製造工程から味の感じ方まで紹介しております。  

今回紹介したワインの【レリアン】とは「強くあること」「気を保つこと」「いい状態であること」という意味を与えているようです。またヴェルナーさんの二人の子供、レア(女子)とフロリアン(男子)の名前を組み合わせたとも言われています。


2017年のビンテージは生産を見送ったので、次回の2018年のビンテージが出るまで半年以上かかります。機会があれば現地で探してみてください。


この他にもし気になるワインや生産地、ワインメーカーなどございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。  

それでは楽しいワインライフを。


#ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #セッピ #カベルネ #フラン #カルダロ #レリアン

本日はカンティナ紹介です。ホテルに直営業に来てくださったアルミン・コブラー氏。その彼のワインをご紹介したいと思います。彼は元々は州営の農業学校ラインブルグで研究員として務めていました。2006年、実家のブドウ園を継ぐために家に戻り、ワイン作りを始めました。

コブラーのワインは州の南部マグレ/マルグライド(独)にある単一畑から作られており、テロワールの概念、そしてブドウのキャラクターを大切にしています。

アルミン氏曰く、南チロルではピノ・ビアンコがより独自色の強い品種として注目されているが、マグレエリアではよりピノ・グリージョの方が独自性が強い。ラベルにはあえてグラウ・ブルグンダーと表記しているが、どこか「飲みやすさ」よりも「キャラクター」を重要視したラインナップに見えます。

一部ホームページの内容を和訳して、そこに私の意見を加える形で今回の記事を作りました。ご興味があれば最後までどうぞご覧ください。

【生産者概要 Armin Kobler】  

●所在地:マグレ

●住所:Strada del Vino 36 39040 Magrè

●URL: https://www.kobler-margreid.com/

●創業:2006年 

●プレジデント: アルミン・コブラー

●エノロゴ: アルミン・コブラー

●アグロノモ: アルミン・コブラー

●栽培面積:ha 

●栽培形態: 

●生産ライン:計7種類 

Chardonnay Ogeaner, PG Oberfeld, PG Klausner, GWT Klausner, Me Rosé, CF Puit, Me Ris Klausner

●観光:カンティナツアー(要予約) 

●ワイン販売: 自社のHPで販売

●インポーター:なし


ワイン醸造

州南部にある小さなコミューン、マグレ(ドイツ語名:マルグライド)。このエリアにあるブドウ畑は標高は200〜220 メートルです。非常に暖かい地域で、石灰岩が含まれている土壌が特徴です。東部と南部の地域では、かなり深さのある砂質混じりのシルト(沈泥)土壌が多く見られます。

適した土壌に適したブドウを植えることを基本的に重要であると考えていて、「品質はブドウ畑で作られる」という言葉は単なるスローガンではなく、畑での作業時間が品質との比例していくものだと考えます。


アルミン曰く、州南部は渓谷が非常に深いエリアで、それはつまり標高が低いということだと言います。ワインを学んだ人であれば、標高が低いと「暑い地域」。逆に高いと「涼しい地域」と判断しがちですが、ここでは「標高が低い」=アディジェ川のほとり=寒さが漂流するということで比較的涼しいエリアだと言います。またマグレの街の西側(標高が高いエリア)でも夜間はメンドラの山塊から冷たい風が流れてくるので、ここでも晩熟なブドウが得られるということです。


ブドウ畑では生態系を壊さないように害虫管理システムを使用したり、天気予報を元にあえてリスクを受け入れる施作など取り入れたりと、近年、たくさんのデータや研究結果などをもとに、作業処理の数を大幅に減らすことができました。


収穫は全て手作業で行われます。通常は遅めの収穫期を迎えますが、品質基準を満たさない房は収穫の段階で破棄されます。ワインは、品種、地域、そしてもちろんヴィンテージも反映することが重要だと考えており、そのためカンティナ内、そしてブドウ畑での作業は最新の注意が必要と考えます。



それぞれのワインのラベルにはぶどう畑の地図をイメージするデザインが施されており、その品種が栽培されているエリアが色付けされています。イメージではラベルの左上がマグレの市街地を位置して、右側にアディジェ川。その中間にある単一畑が6つあります。それではそれぞれ詳しくみてみましょう。


オゲアネール・Ogeaner

位置:渓谷の深い位置にある畑

標高:208 m s.l.m.

土壌:砂質土壌

仕立て:ペルゴラ式

栽培本数(ヘクタール当たり):3.300本

植栽年:-1940年

栽培品種:シャルドネ

特徴:果実味が凝縮しており、アルコール分と抽出度の高さが味のマイルド感を高めている。


オーバーフェルド・Oberfeld

位置:渓谷の深い位置にある畑

標高:210 m s.l.m.

土壌:粘土質土壌

仕立て:グイヨ式

栽培本数(ヘクタール当たり):7.000本

植栽年:-2002

栽培品種:ピノ・グリージョ(グラウ・ブルグンダー)

特徴:食前酒にふさわしいマイルドさ、骨格よりもフレッシュ感が先行。


ピュイト・Puit

位置:ファヴォーニャ川の扇状地(緩やかな傾斜地)

標高:215 m s.l.m.

土壌:砂質混じりの粘土質土壌(ドロマイト-苦灰石)

仕立て:グイヨ式

栽培本数(ヘクタール当たり):7.000本

植栽年:-2001

栽培品種:カベルネ・フラン

特徴:ベリー系と香草系のバランスが秀逸。飲み疲れないエレガントさがある。


フェルド・Feld

位置:ファヴォーニャ川の扇状地(緩やかな傾斜地)

標高:214 m s.l.m.

土壌:砂質混じりの粘土質土壌(ドロマイト-苦灰石)

仕立て:グイヨ式

栽培本数(ヘクタール当たり):7.000本

植栽年:-2004

栽培品種:ゲビュルツトラミネール

特徴:果実味の凝縮感と口当たりのボリューム感が特徴的。余韻が長い。


コッツナー・Kotzner

位置:ファヴォーニャ川の扇状地(緩やかな傾斜地)

標高:223 m s.l.m.

土壌:砂質混じりの粘土質土壌(ドロマイト-苦灰石)

仕立て:ペルゴラ式

栽培本数(ヘクタール当たり):3.300本

植栽年:-1980

栽培品種:メルロー

特徴:遅積みのメルローをロゼにする。抽出度が高く、メイン料理向きのワイン。


クラウスナー・Klausner

位置:渓谷の深い位置にある畑

標高:209 m s.l.m.

土壌:平野、若干粘土混じりの砂質土壌

仕立て:ペルゴラ式

栽培本数(ヘクタール当たり):3.300本

植栽年:-1972

栽培品種:メルロー、ピノ・グリージョ(グラウ・ブルグンダー)

特徴

(ピノ・グリージョ):リッチな骨格、ボリュームタップリの味わいとミネラル感のバランス。

(メルロー):果実味と複雑性のバランスが絶妙。口当たりと余韻の長さが特徴的。


ニューリリースワイン「エティザ」

「étisa-エティザ」は主に2つの理由で誕生しました。1つは既存のラインとは異なるアプローチのワインを作りたい。2つ目は品種やテロワールの特徴より「飲みやすさ」の追求です。

シャルドネとピノ・グリージョのブレンドで作るこのワインは、ブドウ畑、品種、そしてヴィンテージの特徴をあえて追求せず、ラベルを通してラフに楽しめる、より即時的でより気楽なアプローチのワインです。エティザを味わうことで、特定の地域やブドウ品種を回想させないほどシンプルで「飲みやすさ」を追求しています。2019年の最初のヴィンテージで使用されたブドウは、シャルドネ3分の2、ピノ・グリージョ(グラウ・ブルグンダー)が3分の1であり、鮮度を高くアルコール度数を少し低くするために、通常より早めの収穫を行っています。またこのエティザという名前の由来は「昔のアディジェ川の名称」だそうです。



ちなみにアルミン氏はラインブルグの研究員だけありコルクに関しても深い知見があります。彼の作るワインスタイルとコルクとの関係を鑑みると、全てのワインはコルクではなくスクリューキャップを採用しています。コルクを使用するメリット・デメリットを比較すると彼のワインはデメリットの方が多く挙げられたことになります。またスクリューキャップの方が密閉率が高い分、赤ワインのリザーブタイプでもゆっくり瓶内熟成が行われます。ですのでメルロー・リゼルバ・クラウスナーも最新のビンテージは2013年なのです。


【品種説明】 

CH:シャルドネ(Chardonnay) 

PG:ピノ・グリージョ (Pinot Grigio) 

GWT:ゲビュルツトラミネール(Gewürztraminer) 

CF:カベルネ・フラン(Cabernet Franc) 

ME:メルロー(Merlot) 


【参考資料】 

Armin Kolber HP


 いかがでしたか。  

このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。  

もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。  

それでは楽しいワインライフを。 


#ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #アルミン #コブラー #マグレ #マルグライド

【生産者概要 Abraham】  

●所在地:アッピアーノ  

●住所:Via Maderneto 29, Appiano sulla Strada del Vino

●URL: http://www.weingutabraham.it/it/enciclopedia/appiano-sulla-strada-del-vino

●創業:2011年(ワイナリー)・1900年ブドウ生産 

●プレジデント: Martin e Marlies Abraham

●エノロゴ: Martin e Marlies Abraham

●栽培面積:ha 

●栽培形態: グイヨ式・ペルゴラ式

●生産ライン:計7種類 

 PB In der Lahm, PB Vom Muschelkalk, Upupa Orange (GWT), PN, Upupa Rot, 

 PN Abraham Art Selection、PB Abraham Art Selection

●観光:カンティナツアー(要予約) 

●ワイン販売: カンティナ内に併設、オンラインでも対応

●インポーター:  ナシ


アッピアーノとは

アッピアーノはワイン街道のスタート地点にある町で、ボルツァーノとカルダロの中間にあります。現在このコミューンには人口約14,000人がおり、地形はメンドラの斜面と、氷河起源のモレーン形成の土壌にあります。このエリアはオルトラディジェ渓谷の北部地帯にあたります。

ワイン街道は、ボルツァーノ近くのシギス・ムンドゥス城から始まり、アッピアーノの一部でもあるコルナイアーノを通り、カルダーロ、テルメーノ、コルタッチャ、マグレにまで至ります。そこからアディジェ川を東へ渡り、サロルノまで続きます。 

その北部の中心地でもあるアッピアーノには、サン・ミケーレという地区があります。ここにはアッピアーノの中心地で市庁舎もあり、歴史ある芸術的で美しい町です。この地域には200以上の歴史的な建造物があり、そのほとんどが古城、教会、高貴の館などです。ヨーロッパの中でも中世の城が点在している地域として有名な場所です。

またアッピアーノは南チロルの中でもブドウ、リンゴ栽培地として重要な場所で、ブドウに関して言えば約1,050ヘクタールに年間10万ヘクトリットルのブドウが生産されています。


ブドウ畑 

畑の西側には、メンドラ山塊(さんかい)が堆積したドロマイト岩、赤い黄土色、砂が見られます。 一方東側では、氷河期末期からのモレーン形成土壌があり、斑岩と石英鉱物が豊富に見られる火山石と混合されています。雨が降った後の土壌から、テロワールの独自性と並外れた性質が感じられます。


イン・デア・ラム-in der låmm 

標高約500メートル。アッピアーノの "ヴァイラー・ワイスハウス-Weiler Weisshaus"にあります。西側の斜面は日差し、風通しがよく、ブドウの熟成に最適な環境です。畑の一部には、1955年から祖父のヨハン・アブラハムによって栽培されたピノ・ビアンコがあります。これらの古いブドウを50年以上栽培し続け、そのオリジナル性を維持していくことが課題となっています。ペルゴラ様式で栽培され、根が非常に深く、人工灌漑を必要とせず、土壌から大量のミネラル分が吸収されます。

土壌は、氷河期末期のモレーン形成土壌で構成され、斑岩と石英鉱物が豊富な火山砕石と混合されています。 「ピノ・ビアンコ・イン・デア・ラム」は、気候・古樹・土壌という好3条件により生まれました。

出典:AbrahamのHPより

ロスラウフ-rosslauf 

ブドウ畑は、アッピアーノとカルダーロの間に所在している畑。ワイン街道近くで、日の光がさんさんと浴びる丘の上、標高450メートルにあります。このエリアは何世紀にもわたってブドウが栽培されたと言われていて、土壌は氷河と斑岩のモレーンに加え、アディジェ川へと流れる河川堆積物からも構成されています。2008年以降、アブラハム社が所有・管理しています。 

樹齢50年以上のスキアーヴァ(独:フェルナッチ)を栽培しています。この畑には自然豊かな環境が整っておりヤツガシラ(野鳥)を含むさまざまな野生動物が垣間見えます。

出典:AbrahamのHPより

アム・ラインスベルグ-am reinsberg

標高450m。サン・ミケーレ・アッピアーノのブドウ園とリンゴ園の間にあるの貴族の館「アンシッツ・ラインスベルグ-Ansitz Reinsberg」の下にあります。 中世から続くこの畑は、農村の貴族が所有しており、ブドウの品質だけでなく、歴史的にも重要なエリアです。 

メンドラのマカイオン山の斜面にあるこの畑は、東に向かって緩やかに傾斜となっており、メンドラ山塊から吹く夕風により、昼夜の温度変動が発生し、ブドウの熟成と香りに理想的な影響を与えます。石灰岩が豊富な深い粘土質の堆積物で構成される土壌で、ワインには調和と個性が与えられます。ピノ・ビアンコ、ピノ・グリージョ、ピノ・ネーロ、ゲヴュルツトラミネール、スキアーヴァがこの畑で約200年以上栽培されています。

出典:AbrahamのHPより

アム・グフィルベルグ-am Gfillberg / 
フォム・ムシェルカルク-Vom Muschelkalk 

「アム・グフィルベルグ」は標高600m。ワイン生産で有名なサン・パウロ地区の上部に当たります。カステル・ボイモント城周辺の素晴らしいパノラマからは、ブドウ畑だけでなくボルツァーノの街まで眺めることができます。ここでは主にピノ・ビアンコが栽培されており、その品質も逸品です。最近では気候変動による気温上昇の影響もあり、冷涼地に相応しいピノ・ネーロの栽培も増加しています。

ブドウ畑は、斑岩によって形成された土壌と、粘土質の堆積物、沖積起源の石灰岩が入り混じっています。ここで生産されるワインは、エレガントでフレッシュな酸、ミネラルが特徴です。

ピノ・ビアンコ/ヴァイスブルグンダー「フォン・ムシェルカルク-Vom Muschelkalk」には、樹齢60年以上のペルゴラ様式で栽培された品種が使われています。

出典:AbrahamのHPより


カンティナ

カンティナは2012年に新しく改装しました。高品質のブドウを管理するための環境を整えるため、若く革新的な建築家テオドール・ガルメッツァーによるプロジェクトに基づいて生まれ変わりました。

まず敷地内の地下の構造を再検討することが必要でした。それは収穫したブドウを一時保管しておく場所で自然の斜面を活用することで、ぶどうにダメージを与えず理想的な場所を作ることが出来ました。

この新しいカンティナは、すでに使用されている他の2つの熟成庫と接続されており、機能的に拡張することが出来ました。私たちの目標は、「シンプル」と「自然」でワインの価値を際立たせることです。カンティナの中央にはワインを味わい、ディスカッションすることができる大きなテーブルが置かれています。将来的には、試飲スペースと販売エリアが加わり、リクエストに応じて、カンティナへの訪問、ブドウ畑へのガイドなども提供しています。

出典:AbrahamのHPより


【品種説明】 

PB:ピノ・ビアンコ(Pinot Bianco) 

GWT:ゲビュルツトラミネール(Gewürztraminer)  

PN:ピノ・ネーロ・ピノ・ノワール(Pinot Nero) 

Schiava/Vernastch:スキアーヴァ・フェルナッチ


【参考資料】 

Abraham HP 

[Guida Veronelli]2020 


いかがでしたか。  

このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。 もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。  

それでは楽しいワインライフを。 


#ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #アブラハム #ピノ・ビアンコ #ウプパ #ゲビュルツトラミネール #ピノ・ネーロ

今回は南チロルの企業情報です。チーズを生産するエッゲモア社にフォーカスしてみたいと思います。このチーズは州の物産展でもある「プール・スッドティロル Pur Südtirol」でたまたま見つけたチーズで興味を持って調べてみました。また後半には購入したチーズについてもご紹介しています。それではHPの記事を元に色々と深掘りしてみようと思います。

➡︎エッゲモア-EggemoaのHP


人里離れた渓谷でエッゲモアのチーズは産されます。海抜1,300メートルの農場に15頭の牛が飼育されていて、2世代にわたって情熱が育まれています。

『ミヒャエル・シュタイナー』は両親が育んできた最高の素材でもある生乳に可能性を感じ、この事業に取り組んできました。チーズは手で磨かれ、地元のハーブで香り付け、生乳のみで作るというのがこだわりです。エッゲモアチーズの源はここにあります。


2001年に母、イルムガルドと父、ゲブハルドが生乳をチーズに加工するところから始まり、幼少期のミヒャエルは両親の仕事ぶりをみて育ちました。 当時の彼の別の将来の夢を持っていましたが、その後、スイスの有名なチーズメーカー・ヴィリ・シュミット氏の元で研修をして考えが変わります。

そしてチーズマスターとして独特のアイデアとともに家業を継ぐ事を決めます。


カラマツ、トウヒの樹皮、ジュニパーベリーなどのハーブをチーズの熟成用素材として栽培し、トップラインを今日の状態にするには、忍耐だけでなくさらに多くの牛乳が必要でした。

ゲブハード・シュタイナーは、動物が健康に暮らしを整えるという事を大切に乳牛を飼育してきました。農場の周りの山には豊な牧草地が広がっており、冬にはそれらを干し草にして食べさせます。人工飼料一切使用しません。


エッゲモアチーズは、生乳のみを使用しています。茶色い毛並み乳牛は、タンパク質と脂肪含有量が高いミルクを出すため、チーズの製造に特に適しています。毎朝取れる250リットルの牛乳を38度まで加熱して低温殺菌行い、風味とコクを活かした味を追求しています。


Steiner シュタイナー 

この赤い塗ったチーズはエジェモアの定番。サイズは小さく、味はクリーミーです。 

牛乳:牛、生乳 

成熟:赤い培養、6週間 

類型:ソフトチーズ 

におい:乳白色、植物性 

生地:クリーミー 

風味:激しい 

香り:クリーム、植物

Candidum カンディドュム 

最も穏やかなチーズは、5〜6週間熟成します。 ヨーグルトとココアバターの味、そして蜂蜜を数滴添えたベイクドチーズの味がします。 

牛乳:牛、生乳 

成熟:白カビ、4週間 

類型:ソフトチーズ 

におい:乳白色、植物性 

生地:クリーミー、とろける 

風味:甘酸っぱい 

香り:甘いクリーム、ホワイトチョコレート

Larix ラリックス 

白カビチーズは、雨が降る森のような味がします。これは、国産のカラマツの針が原因です。  

牛乳:牛、生乳 

成熟度:白カビ、カラマツのロースト針で4週間 

類型:ソフトチーズ

におい:乳白色、植物性、土性 

生地:クリーミー、とろける 

風味:甘酸っぱい 

香り:甘いクリーム、ホワイトチョコレート、カラマツ樹脂、ローストアロマ

Carbo カーボ 

3か月の熟成後、古いフランスの保存方法を使用して、赤い塗抹標本を石炭でこすります。

ミルクの甘さは、特に長期間保持されます。 

牛乳:牛、生乳 

成熟:赤色培養、炭で8週間 

類型:スライスされたチーズ 

におい:植物 

生地:しっかり、溶ける 

風味:激しい 

香り:牛乳、木炭

Herbarius ハーバリウス 

トブラッハー(Toblach)という街にあるファイヒターホフ(Feichterhof)のクローバーと赤い香草の香りが調和しています。  

牛乳:牛、生乳 

成熟:レッドカルチャー、6週間、パンクローバーで精製 

類型:ソフトチーズ 

におい:スパイスのように、植物性、強烈 

生地:クリーミー 

風味:激しい 

香り:濃厚なパンクローバー

Floralpina フローラルピナ 

フローラルピナは南チロルの高牧草地の味を捉えています。 これは、野生で収集し、タイムと混合するジュニパーベリーによるものです。  

牛乳:牛、生乳 

熟成:赤い培養、6週間、タイムとジュニパーベリーで精製 

類型:ソフトチーズ 

におい:植物性、樹脂性、スパイス 

生地:クリーミー 

風味:激しい 

香り:ジュニパー、タイム

Silva シルバ 

私たちの森のトウヒの樹皮がこの赤い塗ったチーズを包み込みます。 これにより、5週間の熟成後に樹脂のような味が得られます。  

牛乳:牛、生乳 

成熟:赤い培養、トウヒの樹皮で6週間 

類型:ソフトチーズ 

におい:乳白色、樹脂状 

生地:クリーミー 

味:強烈、酸性 

香り:樹脂、ヨーグルト

Candidum Ziege カンディドュム・ツィーゲ

タウファーという街の農家マルティン氏が飼育する200頭の山羊が、牛乳を供給しています。 

牛乳:山羊、生乳 

成熟:白カビ、5週間 

類型:ソフトチーズ 

におい:乳白色、動物 

生地:クリーミー、とろける 

風味:濃厚で甘い 

香り:クリーム、上質な山羊の香り


いかがでしたか。 

このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。 

もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。  それでは楽しいワインライフを。


#ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #チーズ #エッゲモア #Eggemoa

【ワインの詳細】 

ワイン名: ブラウブルグンダー (ピノ・ネーロ)

年号: 2016

生産者: アブラハム

URL: http://www.weingutabraham.it/it/vini/vini-rossi/pinot-nero

生産初年度:2011

平均生産本数: 約4000本

ブドウ品種: 100% ブラウブルグンダー(ピノ・ネーロ)

土壌性質: 氷河期後半に形成されたモレーン土壌、斑岩性砂利に石英混じる土壌

畑の名前: ?

畑の向き: 西向き、風通しの良さ+日照度の高さ+徐葉はそこまで行わない

畑の大きさ: ?

畑の管理形態: 自社畑 

平均海抜: ? m s.l.m. 

栽培方法: グイヨ式 

平均樹齢: 約20年

密植度/h: ?

最大収穫量(resa): 45hl /ha

収穫法: 手摘み(10月上旬) 

発酵&マセレ容器:大樽 Tini (2000lt.)

マセレ温度: ?  

発酵温度:自然酵母発酵 

発酵期間:21日間 

樽熟成: 20ヶ月 

熟成容器: 大樽 Botte di rovere (500lt.) =50%新樽+50%古樽

樽メーカー: ? 

清澄: 自然沈降

瓶熟:?ヶ月 

アルコール度数:14 % vol 

酸度: <1 g/l 

残糖度:5,4 g/l 

インポーター:なし


 【試飲情報】 

色合い:  比較的薄めのルビー、淵はチェリー色を残す、粘性十分あり

香り: 鼻の奥に伸びてくる果実香とスパイス香が特徴、ラズベリー、シロップ漬けしたさくらんぼ、ブルーベリー、チューインガム、甘草、ウイキョウ、

味わい:  スタートから広がる果実味にミネラル感が全体を引き締める印象。タンニンは舌の中央に薄くエレガントに感じられ、果実味に溶け込んでいる。

味覚図:  

サービス温度:  16度

マリアージュ: 赤身肉、ジビエ、熟成チーズ、または記念日に。


いかがでしたか。  

このブログでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、製造工程から味の感じ方まで紹介しております。  

もし気になるワインや生産地、ワインメーカーなどございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。  

それでは楽しいワインライフを。


#ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #

今回はカンティナ紹介です。南チロルワインの概要をまとめたものがありますので、そちらもぜひご覧ください。 ➡︎【ワイン概要】南チロルとは

今回は協同組合でも家族経営でもありませんが、12の農家と契約している州営のカンティナです。それが今回ご紹介する作り手『ラインブルグ』です。研究機関であり、農業系の学校でもあるこのカンティナはどのような背景で生まれたのでしょうか。詳しく掘り下げる前にまずは概要から覗いてみましょう。


【生産者概要:ラインブルグ Laimburg】 

●所在地:オーラ

●住所:Laimburg 6 I-39040 Ora/Vadena

●URL: http://www.laimburg.bz.it/?lang=en

●創業:1975年 

●メンバー:12 農家 

●プレジデント: ボルツァーノ自治州 

●ディレクター:Michael Oberhuber

●エノロゴ: Urban Piccolruaz

●アグロノモ: Stefan Raffl

●栽培面積:50ha 

●年会生産本数:約350万本 

●栽培形態: 契約畑

●生産ライン:計39種類

  ■ ヴィーニ・デル・ポデーレ VINI DEL PODERE (農場という意味)(12) 

CH, PB, PG, MT, Riesling, GWT, MG, SV, Lago di Caldaro “VERNACIUS SOLEMNIS”, Lag, PN Ris ,ME Ris

  ■ セレツィオーネ・マニエロ SELEZIONE MANIERO(邸宅という意味)(8) 

Kerner AURÒNA, COL DE RÉY, SV Ris “OYÈLL”, GWT Ris “ELYÒND”, LAG Ris “BARBAGÒL”, CS Ris “SASS ROÀ”, SV PASSITO “SAPHIR” , MOSCATO ROSA

  

●観光:カンティナツアー(要予約) 

●ワイン販売: 8-12  13:30-17 月-金、及びオンライン対応もあり(Pur Südtirolのサイトより) 

●お勧めレストラン: Ristorante "Al Ponte"

●インポーター: ボンタ・デル・ティローロ Bontà del Tirolo Japan(福岡)


ラインブルグとは・・・

1975年、ボルツァーノ県で初めてブドウ栽培の実験センターとして設立された。南チロルのブドウ栽培をイタリアで最も進んだものの1つにするために、日々研究、実験、教育、およびコンサルタント活動が継続されてきた。今日カンティナでは12のブドウ畑があり、すべて州内に散在している。ブドウ栽培のモデル会社として、ランブルグは、南チロルの代表的な品種を含む独自の高品質ワインの生産によって支えられている。ゲヴュルツトラミネール、ラグレイン、ピノネロ、スキアーヴァなど使用されるブドウは、標高200〜750 mの土地から産される。合計約50ヘクタールのワインエリアに広がる。

ワインは2つの生産ラインに分かれている。「ヴィーニ・デル・ポデーレ(農場という意味:クラッシックスタイル)」は、品種ごとに異なり、スチールタンクをメインに醸造され、一部大樽で醸造される伝統的なスタイル。一方、「セレツィオーネ・マニエロ(邸宅という意味:リザーブスタイル)」は、主にドロミテのラディン地方の伝説オーク樽または厳選された樽で熟成させた、よりはっきりとした個性を持つワインに仕上げている。ワイン生産の基本的な概念は、各ブドウ品種の個性を忠実に解釈し、ワインがその独特の品質を最もよく表現できるように取り組むことで表現される。


1980年代の終わりに、ラインブルグは保管するための熟成スペースを隣接するモンテ・ディ・メッツォ(ミッテルベルグ)という丘陵地の麓に設営する。岩の中に建設されたセラー内部では自然に一定温度が保たれ、伝統的かつモダンなスタイルとなる。

カンティナ

赤ワイン熟成庫

長さ50メートル、幅7メートル、斑岩から削り出された熟成スペースでは、100以上の小さなオーク樽が集められ、約15〜20か月間保管される。2004〜2005年には、樽を保管するためのセラーが350平方メートル拡張された。斑岩から切り出されたワインギャラリーには、映画の撮影やパフォーマンスに使用され、南チロルのワインの伝統に新しい文化を与えている。


白ワイン・ロゼワインが与える優雅さと骨格

ブドウ果汁は、1000から8000リットルの容量のステンレスタンクで発酵され、一部は熟成される。冷却システムや様々な技術ツールで、浸軟の強さを制御することが可能。この制御された発酵により、ブドウの皮に存在する着色物質、タンニンを最適な方法で抽出し、香の成分を拡大することが可能。


ティロレンシス・アルス Tirorensis Ars

1994年、6つのワイナリーが共同で「ティロレンシス・アルス・プロジェクト」がスタートした。これらのワイナリーは、ブドウ畑をほぼ独占的に管理しており、ボルツァーノとメラーノの間に位置している。「高品質のワイン生産を目指す」それを認識しているワインメーカーの集まりであり、品質を基準にブドウ栽培からボトリングに至るまで、一貫して検証可能な方法で追求している。年に数回開催される熟練したワインメーカーが目隠しでテイスティングを行っている。


翼のあるドラゴン 

伝説の動物「ドロミテの神話」の世界に起源を持ち、このドラゴンは日当たりの良いブドウ畑で甘いブドウを食べていると言われている。南チロルのワイン生産者唯一の質の高い協会の象徴となった。翼のあるドラゴンは、「独立、活動的、決意」を象徴している。  

対象カンティナ(6社) 

グリースバウアーホフ 
クレンツル 
ラインブルグ 
ロアッカー・シュワルホフ 
ウンターガンツナー
テヌータ・トゥルンホフ 

キュヴェ・ドロミテン CUVÉE DOLOMITEN WEINBERG IGT 

キュヴェ・ティロレンシスの赤ワインは、2000年に発売された。カベルネソーヴィニヨン、ラグレイン、ピノネロのブレンド。これに2006年、シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ソーヴィニヨン、ゲビュルツトラミネールのブレンドでキュヴェ・ティロレンシス白ワインも追加された。これらのワイナリーからは、最高にコンディションがいい樽を持ち寄り、それらをブレンドして作られる。


ブドウ畑

12の農場は現在、南チロルのすべてのワイン地域で約50ヘクタールのブドウ畑を栽培している。平野から急斜面の丘陵地に至るまで、さまざまな種類の土地に位置し、耕作地は土壌の形状によっても区別されている。モレーン起源の砂利、原始的な岩や粘土質の石灰岩が交互に続く沖積土。ブドウは標高200〜750 mで栽培され、仕立ては品種によりペルゴラ、グイヨで行われている。高品質のブドウを栽培するためブドウ畑の管理は最大限の注意を払うと同時に、バランスの取れた生態環境を維持できるように努めている。


ソル・セッラ Söll SELLA

コミューン:トラミン
標高:550 m s.l.m
面積:1ha
栽培品種:Gewürztraminer


ウーライテンホフ・バロン ÖLLEITENHOF MIT WEINGUT “BARON”

コミューン:カルダロ
標高:350 m s.l.m
面積:8,2 ha
栽培品種:Gewürztraminer, Vernatsch, Cabernet, Lagrein, Tannat, Petit Verdot


ピグロン・ホフ PIGLON-HOF

コミューン:ヴァデーナ・プファッテン
標高:250 m s.l.m
面積:5,2 ha
栽培品種:Pinot Bianco, Chardonnay, Sauvignon, Müller Thurgau, Merlot, Tannat


ラインブルグ LAIMBURG

コミューン:ヴァデーナ・プファッテン
標高:220 m s.l.m
面積:68 ha
栽培品種:Moscato Giallo, Gewürztraminer, Sauvignon(甘口用), Chardonnay, Pinot Bianco


ミッテルベルガーホフ・ヴィンクラーホフ MITTERWEGERHOF & WINKLERHOF

コミューン:ボルツァーノ
標高:230 m s.l.m
面積:5,2 ha
栽培品種:Lagrein, Vernatsch, Tannat


サルマンホフ SALLMANNHOF

コミューン:メラーノ・フライベルグ
標高:530 m s.l.m
面積:8,7 ha
栽培品種:Pinot Grigio, Pinot Bianco


モアールホフ MOARHOF

コミューン:メラーノ・フライベルグ
標高:500 m s.l.m
面積:7 ha
栽培品種:Gewürztraminer, Müller Thurgau, Kerner, Pinot Nero


ラックラーホフ・ヴァイスプラッター LACHLERHOF MIT WEINGUT “WEISSPLATTER”

コミューン:メラーノ・フライベルグ
標高:500 m s.l.m
面積:6,5 ha
栽培品種:Chardonnay, Riesling, Sauvignon, Müller Thurgau


マルテブナーホフ MARTEBNERHOF

コミューン:メラーノ・シニゴ
標高:350 m s.l.m
面積:14,7 ha
栽培品種:Moscato Rosa, Pinot Nero, Chardonnay, Sauvignon


ハルホフ HALLHOF

コミューン:メラーノ・フライベルグ
標高:550 m s.l.m
面積:5,5 ha
栽培品種:Müller Thurgau, Pinot Nero


フラグスブルグホフ FRAGSBURG-HOF

コミューン:メラーノ・フライベルグ
標高:700 m s.l.m
面積:14,2 ha
栽培品種:Müller Thurgau, Pinot Nero


ブルグフリード・プッツングートル BURGFRIED SCHLOSS TIROL MIT “PUTZNGÜTL”

コミューン:ティローロ
標高:600 m s.l.m
面積:4 ha
栽培品種:Pinot Bianco, Sauvignon, Pinot Nero, Merlot

いかがでしたか。 

このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。 

もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。 

それでは楽しいワインライフを。 


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今回は生産者紹介です。南チロルでは13の協同組合(同地域内ワイン生産量の70%)のワイナリーが存在しています。南チロルワインの概要をまとめたものがありますので、そちらもぜひご覧ください。 

➡︎【ワイン概要】南チロルとは

その中でもワイン街道のメインシティー・カルダロ(伊)、カルテルン(独)、カルタン(英)にある協同組合「カンティーナ・カルテルン」です。10年前まではイタリア語表記(カンティナ・カルダロ)とドイツ語表記(ケッレライ・カルテルン)の2種類の名前が存在していました。しかし市場の困惑を避けるために「カルテルン」に統一されました。ですのでイタリアのワイン誌にも「カンティーナ・カルテルン」と表記されています。それではまず生産者概要を覗いてみましょう。


【生産者概要カルダロ(伊)カルテルン(独)Kaltern】  

●所在地:カルダロ  

●住所:Via Cantine 12 I-39052 Caldaro

●URL: https://www.kellereikaltern.com/en

●創業:1900年 

●メンバー:650 農家 

●プレジデント: Cristian Sinn

●エノロゴ: Andrea Moser

●アグロノモ: Hansjörg Palla, Hannes Rohregger

●栽培面積:450ha 

●年会生産本数:約350万本

●栽培形態: 契約畑

●生産ライン:計39種類 

 ■ QUINTESSENZ クインテッセンツライン(5)

PB, SV, Lago di Caldaro Superiore, CS, MG

 ■ SELEZIONE セレツィオーネ(15)

Brut Nature Spumante, PB Viel, PG Soll, Ch Saleit, SV Stern, Kerner Carned, GWT Campaner, SOLOS Bianco Bio, LdC Leuchtenberg, St.Magdalener Gröbner, PN Saltner, Me Ris Lason, Lagrein Lareith, Cab Me Feld, CS Ris Campaner

 ■ Classico クラッシコ(16)

PB, CH, PG, MT, SV, GWT, MG, K WHITE, Rosé, LdC Sup.,Schiava Gentile, St.Magdalena, PN, Lagrein, Me+Cab, Moscaro Rosa Rosé

 ■kunst.stück クンシュトゥ・シュトゥック(3)

Pinot Bianco, Lago di Caldaro Superiore, Cabernet Sauvignon Riserva,


●生産ラインの割合:

Lago di Caldaro 25,8%
Pinot Bianco 11,5%
Gewürztraminer 9,5%
Lagrein 9,1%
Chardonnay 8,2%
Sauvignon 6,9%
Pinot Grigion 5,5%
Cabernet 5,4%
Pinot Nero 5,3%
Müller Thurgau 3,7%
Merlot 3,5%
Moscato Giallo 3,1%
St.Magdalena 1,1%
Kerner 0,7%
その他 1,0%

●観光:カンティナツアー(要予約) 

●ワイン販売: [ワインセンター] 9-19 月-土、及びオンライン対応もあり

●お勧めレストラン:  ランドガストホフ・ゼーペルレ [Landgasthof Seeperle]

●インポーター:  アサヒビール株式会社


歴史 

カンティナ・カルテルンの歴史は古く、1世紀以上かけて今日の基礎を築き上げてきました。会社としての持ち味は、プロ意識、情熱、チームワーク、経験、そして最高の品質が基準となっています。今日、カンティーナ・カルテルンは南チロルで最も重要なワイナリーの1つです。しかし、カルダーロはワイン愛好家のためだけの特別な場所ではなく、ワイン作りに関係する多くのコミュニティの主人公として捉えています。何年にもわたって雇用や人材を作り上げ、献身的な取り組みをしてきました。企業理念は、「品質への意欲」と「継続的な模索」を掲げ、日々ワイン作りに勤しんできました。


1900年の創業から今日まで:

ワイナリーの歴史は20世紀初頭にまでさかのぼります。戦争と南チロルのオーストリアからの分離、帝国の輝かしい時代、経済危機と回復、イタリア併合、そしてブドウ栽培における品質向上への絶え間ない努力を通じて、5つのワイナリーがその主人公となります。様々な問題を抱えた出来事を振り返る1世紀。今日21世紀には、650名の契約農家と450ヘクタールでブドウ畑を管理する協同組合になりました。 

1900:ケレライ・カルテルンの設立 

1906:バウエンケッレライ・カルテルンの設立 

1908:ユビロイムス・ケレライ・カルテルンの設立 

1925年:ノイエ・ケッレライ"Neue Kellerei"(ヌオーヴァ・カンティーナ)の設立。

➡︎1900年創業のケレライ・カルテルンはこの時「エルステ・ケッレライ(Erste Kellerei)=第一番目」と名称を変更します。 

1932:バロン・ディ・パウリのプライベートワイナリーを「ヨーセフ・バロン・ディ・パウリ」として協同組合が設立。 

1986:エルステ・ケッレライ[Erste Kellerei]とノイエ・ケッレライ[Neue Kellerei]が合併し「エルステ・エ・ノイエ[Erste + Neue]」と名称を変更。 

1991:ヨーセフ・バロン・ディ・パウリ協同組合がエルステ・エ・ノイエ[Erste + Neue]に統合されテヌータ・バロン・ディ・パウリが再び独立。 

1992:バウエンケッレライ[Bauernkellerei]とユビロイムス[Jubiläumskellerei]が合併して再び「ケレライ・カルテルンKellerei Kaltern」を設立 。

2016:ケレライ・カルテルン[Kellerei Kaltern]がエルステ・エ・ノイエ[Erste + Neue]を吸収合併し実質親会社になる。


クンシュトゥ・シュトゥック【kunst.stück=芸術のかけら】

このプロジェクトは、土壌・天候・太陽などの自然の特徴とそのヴィンテージを反映したブドウに捧げるために、2014年のヴィンテージから考案されものです。自然の芸術作品として、マグナムボトル(1,5リットル)の限定版でリリースします。カンティナでは、アーティストやグラフィックデザイナーを招き、さまざまなヴィンテージの「芸術のかけら」を特別なラベルを作成します。

最初のワイン「ピノ・ビアンコ2014」で、情熱的なアーティスト、クラウディオ・パテルノスターが並外れた創造性でラベルを仕上げました。一方、「ラーゴ・ディ・カルダロ・クラッシコ・スペリオーレ 2016」は、「カルダロ湖生活の喜び」をイメージして考案したミラノのデザイナーであり教師のステファノ・マンダートによって作られました。ブレッサノーネ出身の若手アーティスト、マルギット・ピッツシエラーは「カベルネ・ソーヴィニヨン・リゼルバ 2015」のラベルを作成しています。


クインテッセンス 5x5 

カルテルンの「クインテッセンツ=5つの要素」とは、カンティナの魂や本質であり、構成要素とも言えます。「クインテッセンツ=5種類のワイン」というだけではなく、このカンティナを語る上で重要な5項目を、またそれらを5つの要素に分けて説明しています。「歴史」「品種」「街」「州」そして「強力なコミュニティ」に分かれています。


 (1)歴史:5つのセラー 

  • La Erste Kellerei ラ・エルステ・ケッレライ(1900年) 
  • La Bauernkellerei ラ・バウエルン・ケッレライ(1906) 
  • La Jubiläumskellerei ラ・ユビロイムス・ケッレライ(1908) 
  • La Neue Kellerei  ラ・ノイエ・ケッレライ(1925) 
  • La Cantina Josef Baron Di Pauli ラ・カンティナ・ジョセフ・バロン・ディ・パウリ(1932年) 


 (2)5品種のワイン  

  • ラーゴ・ディ・カルダロ(スキアーヴァ種)
  • ピノ・ビアンコ 種
  • ソーヴィニヨン・ブラン種
  • カベルネ・ソーヴィニヨン 種
  • モスカート・ジャッロ(黄マスカット)種


 (3)カルダーロ市の5つの事実 

  • 南チロルで最も有名なワイン生産の自治体 
  • 海抜200〜700メートルのブドウ畑 
  • 750ヘクタールのブドウ畑がある州で2番目に大きいワイン生産自治体 
  • カルダーロ湖:アルプスで最も暖かく、南チロル最大の自然湖 
  • テロワール:異なる特徴の土壌に、大陸性と地中海性気候の融合  


(4)南チロルの5つの特徴  

  • ブドウ栽培における2000年以上の歴史 
  • イタリアの最北端のワイン産地 
  • イタリアでのヘクタールあたりの賞の最高密度 
  • イタリアのワイン生産地の1%未満 
  • DOCワインの98%、全国レベルでユニーク 


(5)協同組合の5つの特徴 

  • 収穫はすべて手作業 
  • カンティナでのプロ意識
  • コンピテンス(知識、スキル、能力の応用)
  • 技術革新とブドウづくりの情熱 
  • 協力原則による安全性と柔軟性

家族としての協同組合

協同組合は、650人のワイン生産者で構成されています。我々は大家族のように考えており、彼らのほとんどは1ヘクタール未満の土地を管理・運営しています。彼らは他に職業を持ちながらブドウ栽培に勤しむ情熱的なワインメーカーで、余暇の時間を使って畑作業を行っています。これがカルテルンの魅力の一部となっています。


協同組合の真の強み

家族経営の構造と小さなブドウ畑で構成された生産地域により、カンティナは必要に応じて、柔軟に臨時の労働力を動員することができます。また畑に勤める農家とワインを管理する醸造担当者は、常にコンサルティングサービスを受けられる環境を整えており、パートナーとして一年中トレーニングと改善を継続させることができます。個々の生産目標を定義したり、管理訪問を実施したり、定期的な意見交換なども積極的に行っています。  


共に働き、共に生きる

収穫がその例ですが、秋になると若者から年配まで家族全員が集まり収穫を行います。一度に集中的に行い、また作業は全て手作業で行われます。そして一日の終わりには、日中の疲れを癒すためにみんなで食卓を囲みディナーを楽しみます。カルダロ湖での生活は、家族の温かさ、協力の精神、努力の結果で構成されています。これらすべてがカルテルンのワインに現れています。


ワインの生産 

品質、持続可能性、バイオダイナミクスへの取り組み 

カルテルンとって100年以上続くブドウ生産は、喜び以上に義務を感じて日々作業を行なっています。自然や文化的景観の保全に貢献しつつ、土壌の多様性と生態系の保護を強化したいと考えています。手作業と自然のリズムに従い、高品質のワインを生産するために一部の生産ラインでは、バイオダイナミクスを取り入れています。 

剪定から収穫まで 

ブドウ畑での作業は、年間を通じて異なる作業工程を複数行なっていきます。剪定から収穫まで650人のメンバー間で行われる相乗効果を最大限に活用すること。そのために調整、及び訓練は絶え間なく行われます。2,000区画それぞれに個別の収量目標を設定し、それをカンティナの畑管理担当者が監督および評価を行います。ブドウの品質はカンティナにとって重要な要素であり、協同組合のすべてのメンバーが同じ意識を持って取り組んでいます。彼らは自分たちのブドウがどのワインに使用されているかを知っています。


ハンスヨーク・パッラ氏(カルテルンのブドウ栽培担当責任者)曰く、「ブドウ畑で働くことの素晴らしさは、コミュニティに属しているという感覚と、それぞれが仕事を遂行するための情熱を持って行なっているということです。この大家族は、気まぐれな天気や予測もつかない要因に対処することができます。それは必要に応じてお互いをサポートできる団結力であり、それが強みでもあります。これらが生産目標と品質基準を保証する方法と考えています」


「サン・ニコラ」「サン・ジュゼッペ」「ピアニッツァ」  

カンティナが管理する1,100のブドウ畑では、特殊な土壌で構成されています。カンティナでは南チロルのバイオダイナミクス農法のパイオニアとして、有機栽培ブドウを15ヘクタール以上生産しています。ルドルフ・シュタイナーの教えに従いブドウ畑、及びカンティナでも適切に対応されています。原則として除草剤の使用を避けています。


プロジェクト・トリプルエックス-『XXX』 

プロジェクト・トリプルエックスは「エクスプローラー(探検・探究)eXplore」「エクスペリメント(実験)-eXperiment」- 「エクスクルージブ(限定)eXclusiv」を意味します。 これらを目指してXXXプロジェクトでは、エノロゴ(セラーマスター)が熱心に実験を行い、2種類のラベルを作りました。一つはピノ・グリージョを使用した「マシェッド–Mashed(潰したという意味)」で果皮と共に楕円型のセラミックオークで発酵させたワイン。もう一つはカベルネ・ソーヴィニヨンを使用した「One by One」ではブドウは個別に手作業で作られていて、茎を含んだ果汁をトノー(大樽)で発酵させたものです。どちらのワインもろ過せずに瓶詰めが行われています。


【品種説明】

 PB:ピノ・ビアンコ(Pinot Bianco) 

 CH:シャルドネ(Chardonnay) 

 PG:ピノ・グリージョ (Pinot Grigio) 

 SV:ソーヴィニョン・ブラン(Sauvignon)  

MG:黄モスカート(Moscato Giallo) 

MT:ミュラー・トゥルガウ(Müller Thurgau) 

GWT:ゲビュルツトラミネール(Gewürztraminer)  

Ries.:リースリング(Riesling) 

PN:ピノ・ネーロ・ピノ・ノワール(Pinot Nero) 

CS:カベルネ・ソーヴィニョン(Cabernet Sauvignon) 

ME:メルロー(Merlot) 

LG:ラグライン(Lagrein) 

LdC:ラーゴ・ディ・カルダロ(Lago di Caldaro)

Cla.Sup.:クラッシコ・スペリオーレ(Classico Superiore) 

Ris.:リゼルヴァ(Riserva)


  【参考資料】 

Kaltern HP 

[Vini e Cantine dell'Alto Adige] Christoph Tscholl Angelika Deutsch 

[Guida Veronelli]2020 


いかがでしたか。  

このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。  

もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。  

それでは楽しいワインライフを。 


#ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #カルタン #カルテルン #カルダロ #

今回は前回のブログで紹介したメラーノのラグジュアリーホテル『ヴィッラ・エデン』についてご紹介します。前半はホテルの概要をHPから引用し、後半は先日行われたティッフェンブルンナー社のメーカーズディナーでサービスされたお料理についてフォーカスしたいと思います。  

➡︎Hotel Villa Edenのホームページはこちら

幸福の空間 

ヴィラ・エデンの歴史は1982年に始まります。コンセプトは健康的な旅を提供するため、美容トリートメント、スパやエクササイズ、メンタルヘルスケアーを専門家のサポートとともにゲストに提供しています。 「心の調和なしでは体の健康はありませんし、体の健康なしには幸福ではありません...」 オーナーであるアンジェリカ・シュミットのこだわりでもあります。ヴィラ・エデンではゲスト目線で、最先端のサービスと治療を提供してきました。ゲストからの「改善したい」「もっとこうしたい」という声がホテルサービスの基礎となっています。 健康のパイオニア〜サービス能力 現場での経験と科学的実証をもとに、「健康」と「生活の質」の向上をターゲットにしています。そのパイオニア的存在として、日々ゲストとの診断や絶え間ない研究の進歩により、私たちの組織はヨーロッパの健康リトリートのランキングで1位になり、権威ある国際的な賞を獲得しました。  


レストランチーム 

エデンズパークでは、サービスのヘッドでソムリエのエリサ・ガフラーがゲストをもてなし、一方、エグゼクティブシェフのフィリップ・ヒレブランドと彼のキッチンスタッフは、魅惑的な味と香りの世界を演出していきます。

フィリップ・ヒレブランド 

1991年7月28日に南チロルで生まれ、すでに12歳の時には料理への情熱を見つけ、ホテル学校に通い始めます。研修期間を終え卒業後、ミシュラン2つ星、ゴーミヨポイント19点のシェフのボビーブロイアーの元で研修し、その後、ドイツ料理会の巨匠エカート・ウィッツィヒマンでも研修を行いました。フィリップは、いくつかの南チロルのホテルで働いた後、ザルツブルグにある「イカルス・ハンガー7」というレストランのエグゼクティブシェフ・ローランド・トレトルと働くことになります。軽くて美味しい郷土料理をコンセプトにしているフィリップの料理観は、2019年にヴィラ・エデンのエグゼクティブシェフに任命されることとなります。  


メニュー

突き出し: 3種



前菜:燻製したウナギ、出汁を引いたスープに、椎茸、ゴマ、ブロッコリーを添えて

➡︎スプーンで食しましたが、出汁だけでない素材のコクが強く感じる一皿でした。本当に美味しいお皿です。はじめのお皿でしたが完成度が高い印象でした。 

合わせたワイン:シャルドネ・アウ 2015  


前菜2: マスのマリネ、大根とイクラ、カボチャのムースにワサビ風味のお米、西洋ワサビのソース、リンゴの発酵したジェル、大麦のクリスピー  

➡︎お皿提供後、ソースをゲストの前でサービスするタイプのお皿。いろいろな味がするため正直何を伝えたいのかが拡散し過ぎていた印象。 

合わせたワイン:ソーヴィニョン・ラハトゥル 2016  


メイン1: 馬肉のトマホークステーキ、パスティナックのピューレに芽キャベツのソテー  

➡︎臭みなどはなく肉肉しい食感。絶妙な味わいでしたが、前々の皿の構成から見るとトゥーマッチシンプルな印象でした。 

合わせたワイン:ソーヴィニョン・ラハトゥル 2015  


メイン2: 鳩の胸肉、田舎風パンのピューレに青梗菜、紫カレーのソース  

➡︎ほっとする味。カレーソースは鼻に抜ける感じのスパイシー感で青梗菜の苦味と田舎風パンのコク・滑らかさが絶妙なバランス。 

合わせたワイン:カベルネ・ソーヴィニョン・トーレン 2015  


ドルチェ:チョコレートのスフレ、ベルガモットと塩キャラメルソース、マンダリンオレンジのシャーベット添え  

➡︎チョコレートとオレンジの最高の組み合わせ、安心できる味。暖かさと冷たさを交えた絶妙なサービス。 

合わせたワイン:フェルドマーシャル・ヴェンデンミア・タルディヴァ2016  


サービス中にお料理が出る前に、お料理の説明されたカードが提供されます。ゲストはお料理が出る前から、次は何を食べるのかが変わる分、非常に面白いサービスでした。   


いかがでしたか。 

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今回は今まで取り上げたことないホテルについてご紹介しました。先日のメーカーズディナーレビューで利用させてもらったホテルレストランのビッラ・エデン。メラーノに住んでいた頃から気になっていたホテルレストランでしたので、非常に感激でした。まさかここまで深いホスピタリティに特化したホテルだったとは・・・

レストランの印象は若いシェフの勢い溢れるお皿構成というのがイメージでした。色々試したい、という思いが溢れんばかりでした。自分が一番気に入ったお皿は前菜のウナギと出汁のスープ前菜です。ほっとする味なのですが、日本人として味が濃かった出汁でした。でも「挑戦したい」という思いが隠れているお皿だったような気がします。これからの成長ぶりも目が離せません。


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 それでは楽しいワインライフを。 


#ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #ティフェンブルンナー # クリストフ #ニクラーラ #コルタッチャ #フェルドマーシャル  

今回は昨年末(2019年12月3日)に行われたメーカーズディナーについてレポートしたいと思います。案内役はワイン街道南部・ニクラーラに位置するティッフェンブルンナー社のオーナー、クリストフ氏とエノロゴのステファン・ローレッガー氏。そしてベストソムリエに選ばれたエロス・テボーニ氏です。場所はメラーノのヴィッラ・エデンで食事に合わせたワイン会が行われました。  

ソムリエ:エロス・テボーニ氏

会場に到着すると素敵なサロンでクリストフ・ティッフェンブルンナー氏、ステファン・ローレッガー氏、そしてソムリエのエロス・テボーニ氏がフェルドマーシャルを振る舞ってくれました。本日の参加者は12人で、ホテルレストランに勤めている方々がほとんど。中にはワインジャーナリストの方もいらっしゃいました。この日の流れは食前酒のフェルドマーシャル2018年(2020年5月リリース予定)を飲みながら、カンティナの紹介や作り方のこだわりをお話しいただきます。その後、テーブルについてヴィッラ・エデンのコース料理とともにトップライン「ビーニャ・Vigna」の複数ヴィンテージを合わせていくというスタイルです。   

左:クリストフ・ティッフェンブルンナー氏(オーナー)

右:ステファン・ローレッガー(エノロゴ)

今回試飲したワイン

 ■ Feldmarschall von Fenner Müller Thurgau  2018(白)

 ■ Chardonnay AU 2017/ 2016/ 2015(白)

 ■ Sauvignon Rachtl 2016/ 2015(白)

 ■ Cabernet Sauvignon Riserva Toren 2016(赤)

 ■ Feldmarschall von Fenner  Vendemmia Tardiva 2016(甘)



【ワインの詳細】 

ワイン名: フェルドマーシャル・フォン・フェンナー ミュラー・トゥルガウ [Feldmarschall von Fenner Müller Thurgau]

年号: 2018 (2020年5月リリース) 

URL: https://www.tiefenbrunner.com/it/portfolio-item/vigna-feldmarschall-von-fenner/

生産初年度:1991

平均生産本数: 16.000本

ブドウ品種: 100%Müller Thurgau 

土壌性質: 49 % 砂質 42 % シルト 09 % 粘土 + 大理石, 斑岩, 花崗岩、ドロマイト 

畑の名前: フェルドマーシャル @ホフシュタット, ファヴォーナ・ディ・ソット

畑の向き: 南向き

畑の大きさ: 3ヘクタール

畑の管理形態: 自社畑 

平均海抜: 1000m s.l.m. 

栽培方法: スパッリエーラ(グイヨ式)

平均樹齢: 20〜30年

密植度/h: 8.500 本/ha

最大収穫量(resa): 35 - 40hl. / ha

収穫法: 手摘み

発酵&マセレ容器:大樽 

マセレ温度: ? 

発酵温度:?℃、 

発酵期間:?日間 

樽熟成: 12ヶ月 

熟成容器: 大樽+INOX

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:6ヶ月 

アルコール度数:13,5 %vol 

酸度: 6,7 g/l 

残糖度:3,4 g/l 

【試飲情報】 

色合い:  艶のある麦わら色、若干縁が緑がかった状態

香り: 白い花を連想させる強い香りに加えて黄色い果実を連想させる。黄桃、アプリコット、

味わい:  ミネラル感が引き締まる味わい。エレガントな骨格に酸の後味がバランスをとる。

味覚図: 


サービス温度:  10 - 12 °C

クリストフ氏のコメント:

➡︎この年は遅めの開花。夏は非常に暑くなる畑で、この年は80日でブドウが完熟したヴィンテージだった。植栽本数72本からスタートした背景がある。「フェンナー」とはこの農場の持ち主だった方の名前で、「フェルドマーシャル」とはオーストリア・ハンガリー帝国時代の英雄でナポレオンと対峙した人物名。この土地の象徴としてこの名前をつけたかった。

1980〜1981年にかけて9割のぶどう樹がダメージを被った経験がある。理由は極度の乾燥であった。標高が高い地域(約1000m)の畑では2〜3回に分けて収穫をする。ボトリティス菌が付着している果実も含み収穫する。発酵は大樽で行い引き続き約一年熟成。2017年は若干涼しく収穫量の2・3割は遅積みブドウを使用。とてもいいビンテージだった2018年は収穫を10月に始めた。ボトリティス菌の割合は少なく全体の10から15%だった。


 【ワインの詳細】 

ワイン名: シャルドネ・アウ [Chardonnay AU] 

年号: 2017 / 2016 / 2015

URL: https://www.tiefenbrunner.com/it/portfolio-item/vigna-au-chardonnay/

生産初年度:2014

平均生産本数: 1.800本

ブドウ品種: 100% Charodnnay

土壌性質: 49 % 砂質 42 % シルト 09 % 粘土 + 大理石, 斑岩, 花崗岩、ドロマイト 

畑の名前: ヴィーニャ・アウ @ニクラーラNiclara

畑の向き: 南向き

畑の大きさ: 1,0 ha

畑の管理形態: 自社畑 

平均海抜: 260 - 320 m/ slm 

栽培方法: スパッリエーラ(グイヨ式)

平均樹齢: 〜50年 

密植度/h: 8.000 本/ha 植栽初年度: 1967

最大収穫量[resa]:35-45 hl. / ha

収穫法: 手摘み

発酵&マセレ容器:小樽

マセレ温度: ? 

発酵温度:?℃、 

発酵期間:?日間 

樽熟成:12ヶ月➡︎6ヶ月 

熟成容器: 大樽+INOX

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:12ヶ月 

アルコール度数:13,5%vol

酸度: 6,3 g/l 

残糖度:0,5  g/l 

【試飲情報】 

サービス温度:  10 - 12 °C

● 2017

冷涼なヴィンテージなので比較的に細めのストラクチャー。しかし口に入れた後の肉付き、骨格はパワフル。ミネラル感を十分に感じる味わいに、果実味が後味にまで程よく残る。

● 2016 

飲みやすいタイプのビンテージ。火打ち石、ミネラル、エキゾティックフルーツ、黄桃の香り。味わいはボリューム感と酸・ミネラル感が絶妙なバランス。

● 2015 

州南部は暑かったヴィンテージ。CH PG, ME, CSにとってはリッチで樽との相性も良い状態。アルコール度数も高め。収穫は8月。奥行のある香り、柑橘系、南国フルーツ。凝縮感のある果実味と伸びるストラクチャー。バランス取れた酸味。

ステファン氏のコメント:

➡︎樽を購入する業者も同じ所から購入し、変化は唯一年号のみ。ヴィンテージキャラクターに影響を与えたくない。ジュラ地方のシャルドネを連想させる。

「アウ AU」は2013年からこのプロジェクトが始まる。単一のみのブドウを使用することが目的。2014年のビンテージからお城の裏手にある南向き斜面の単一畑にあるシャルドネで醸造。 

ここ南チロルではシャルドネというブドウは1982年までは存在していなかった。1984年のビンテージからDOCに認定される。 

フレンチオークで熟成したシャルドネは凝縮感を与えてくれる。 醸造は伝統的に房ごとまるまる発酵樽へ。決して遅積みのものはいれずに、収穫時の果汁糖度は最大で20Babo(KMW)までのもの。pHも極力低い状態のブドウを使用する。加えて古樹のブドウを使用。酵母菌は自然のものを使用し新樽率50%。澱との接触で燻した香りをもたらす。

因みにコルクは良質なものを使用しコスト一個0,80euro(約100円) イタリア語で”Vigna” はフランス語の”Grand Cru”に相当する。  


 【ワインの詳細】  

ワイン名: ソーヴィニョン・ラハトゥル [Sauvignon Rachtl]

年号: 2016 / 2015

URL: https://www.tiefenbrunner.com/it/portfolio-item/vigna-rachtl-sauvignon-blanc/

生産初年度:2016

平均生産本数: 2.200本

ブドウ品種: 100% Sauvignon

土壌性質: 61 % 砂質 32 % シルト 07 % 粘土+ 高塩分, 低腐植度質 

畑の名前: ヴィーニャ・ラハトゥル @アイカ・ディ・ソットAica di Sotto, di Fiè allo Sciliar

畑の向き: 南向き

畑の大きさ: 0,4 ha

畑の管理形態: 契約畑(向こう20年) 

平均海抜: 590 - 630 m/ slm

栽培方法: スパッリエーラ(グイヨ式)

平均樹齢: 20年 

密植度/h: 8.000 本/ha 植栽初年度: 1996

最大収穫量(resa): 40 hl. / ha

収穫法: 手摘み

発酵&マセレ容器:Tonneau +大樽

マセレ温度: 低温(8〜12時間) 

発酵温度:?℃、 

発酵期間:?日間 

樽熟成:12ヶ月➡︎6ヶ月 

熟成容器: 大樽(3000lt.)+INOX

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:12ヶ月 

アルコール度数:14 %vol 

酸度: 6,8 g/l 

残糖度:0,7   g/l 

【試飲情報】 

サービス温度:  10 - 12 °C

エロス氏のコメント:

●2015 

香りは広い。バターのようなマイルド感。柑橘系、ライム、レモン、エキゾティックフルーツ、若干熟成、クリスピー、味わいは果実味が2度感じる。マイルドさにクリーンさがバランスをとり、桃の後味が特徴。ワイン畑が年号を作っていく。2015年はより凝縮あり早熟。収穫は9月下旬。

 ●2016  

 パッションフルーツ、香草、クリーンな印象。味わいはさっぱり感、フレッシュさにマイルド感が降り混じる。後味には柑橘系の香りが残る。イザルコ渓谷のソーヴィニョンは香りが特徴。カルダロやメラーノのソーヴィニョンは骨格が小さめ細め。2016年では晩熟。10日ほど遅め。

※味覚図を作成し忘れました・・・すみません。


クリストフ氏のコメント:

➡︎ブドウ畑からはミネラルをもたらす。2014年が初年度。2013の試作であはトンノーでマセレーションを行いボルドースタイルにした。しかしそれは望んだスタイルではなかった。因みに2018年は暑い年号。2019年はボトリティス、うどん粉病に苛まれる。ボルツァーノ近郊では雹害発生。


 【ワインの詳細】  

ワイン名: カベルネ・ソーヴィニョン・リセルバ・トーレン [Cabernet Sauvignon Riserva Toren]

年号: 2015

URL: https://www.tiefenbrunner.com/it/toren-vigneto/

生産初年度:2015

平均生産本数: 1.700本

ブドウ品種: 100% Cabernet Sauvignon

土壌性質: 61 % 砂質 24 % シルト 15 % 粘土(肥沃)

畑の名前: ヴィーニャ・トーレン @ニクラーラ Niclara

畑の向き: 南向き

畑の大きさ: 0,6 ha

畑の管理形態: 自社畑 

平均海抜: 270 - 320  m/ slm

栽培方法: スパッリエーラ(グイヨ式)

平均樹齢: ? 

密植度/h: 9.000 本/ha 植栽初年度: 1987

最大収穫量(resa): 25 - 30 hl. / ha

収穫法: 手摘み

発酵&マセレ容器:?

マセレ温度: 低温(8〜12時間) 

発酵温度:?℃、 

発酵期間:3週間 

樽熟成:12ヶ月➡︎6ヶ月 

熟成容器: Barrique+INOX

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:24ヶ月 

アルコール度数:14 %vol  

酸度: 5,3 g/l 

残糖度:0,5 g/l 

【試飲情報】 

色合い:  色合いは濃厚なルビー、

香り: 赤果実に香草・ハーブ、タバコ、リコリス。

味わい:  口当たりはマイルド、リッチな余韻。

味覚図: 

サービス温度:  17 - 18 °C

エロス氏のコメント:

➡︎ カベルネ・ソーヴィニョン主体のトップ赤ワイン。アルト・アデイジェだとは思わないようなキャラクター。カカオやタバコのかおりが特徴的。滑らかな口当たりに威厳のあるタンニンにブルーベリーやブラックベリーの果実味が鼻の奥に後味として戻ってくる。トーレンはブドウ畑の名前。お城の裏手にある畑で塔という意味のラディン語(この地域で古くから話されている言語)。


【ワインの詳細】 

ワイン名: フェルドマーシャル・フォン・フェンナー・ミュラー・トゥルガウ・ヴェンデンミア・タルディヴァ [Feldmarschall von Fenner Müller Thurgau Vendemmia Tardiva]

年号: 2016 (2022年リリース) 

生産本数:約1500本

アルコール度数:8,5-9,5%

酸度:9g/lt. 

残糖度:100g/lt.  

※詳細はメーカーズディナーでお話しいただいた項目のみ載せています。


【試飲情報】 

色合い:  粘性のある黄金色

香り: 香り高いブーケ、花の香り、アカシアの蜂蜜、りんごを煮詰めた香り、クリスピー、サフラン、カモミール、

味わい:  リースリングのような口当たり、柑橘系な後味が残る

味覚図:

クリストフ氏のコメント:

➡︎初のミュラートゥルガウの遅積みの甘口ワイン。ボトリティス菌のついた果実のみのブドウのみを使用。2016年のビンテージでは単体で醸造することを決めていた。因みに2018年のビンテージも産している。ドイツの規格だと「ベーレンアウスレーゼ Beerenauslese」ワイン自体が個性を語るワイン。 


いかがでしたか。 


このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。 

今回のメーカーズディナーで作り手の思いに触れることができました。この『ヴィーニャVigna』ラインはフランスの【グランクリュ(特別畑)】を意識した逸品で、ヴィンテージに個性を語らせるというのが一つのこだわりです。ですので醸造工程はほぼ毎年同じスタイルです。また2022年にリリース予定のフェルドマーシャル・ヴェンデンミア・タルディヴァに巡り合えたのは本当に幸運でした。ミラモンティにいた時から同ワインは知っていたので20年越しの甘口というのは非常に感慨深いです。


もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。 

それでは楽しいワインライフを。


 #ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #ティフェンブルンナー # クリストフ #ニクラーラ #コルタッチャ #フェルドマーシャル

今回は久しぶりに生産者紹介です。南チロルでは35の家族経営ワイナリーが存在しています。南チロルワインの概要をまとめたものがありますので、そちらもぜひご覧ください。

➡︎【ワイン概要】南チロルとは

今回はその中でも5世代にわたってワインを作り続けているティーフェンブルンナー社にフォーカスしてみようと思います。ホームページを訳したものです。昨年末にメーカーズディーナがありました。そこではオーナーのクリストフ氏とエノロゴのステファン氏がトップブレンドについて熱く語っておられました。次回はその模様をお伝えします。

【生産者概要Tiefenbrunner】  

●所在地:ニクラーラ・コルタッチャ  

●住所:Via Castello, 4 - Niclara Cortaccia sulla Strada del Vino (BZ)

●URL: https://www.tiefenbrunner.com/en/

●創業:1225年 

●プレジデント: Christof Tiefenbrunner

●エノロゴ: Stephan Rohregger

●アグロノモ: Markus Weissensteiner

●栽培面積:約70ha 

●栽培形態: 約25ha(自社畑)約45ha(契約畑)

●生産ライン:計29種類 

 ■Selection Vigneヴィーニャ:(4)

  SV Rachtl ソーヴィニョン・ラハトゥル、MT Feldmarschall von Fenner ミュラー・トゥルガウ・フェルドマーシャル・フォン・フェンナー、CH AU シャルドネ・アウ、CSカベルネ・ソーヴィニョン・トレン

 ■Selection Linticlarus リンティクラルス:(4)

  PN Ris ピノ・ネロ・リゼルバ、LG Ris ラグレイン・リゼルバ、Cuvée CS ME Ris キュベ・カベルネ・メルロ・リゼルバ、GWT VT ゲビュルツトラミネール・ヴェンデンミア・タルディヴァ、

 ■Selection Turmhof トゥルムホフ:(11)

  PB Anna, PG, CH, SV, MG, GWT, GWT VT, Schiava, PN, LG, CS

 ■Classic Merus メルス:(10)

  Weiss, PB, PG, CH, MT, SV, GWT, Vernatschスキアーバ, ME, Rosenkönig MR ローゼンキューニック・モスカート・ローザ

  

●観光:カンティナツアー(要予約)€ 6,00 

 ※現在(2020年6月)コロナウイルスの影響で団体ゲストは制限あり(6人から10人まで)

●ワイン販売: カンティナ内に併設

 月:08-12 13-17:30   火–金:08–18.00 土:10:30–18

●お勧めレストラン: Bistro Castel Turmhofビストロ・カステル・トゥルムホフ

●インポーター: 株式会社ヴィナリウス

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【歴史】世代を超えてワインにかけた人生

サビーネとクリストフはティーフェンブルンナー・ トゥルムホフ城を管理する5代目にあたります。伝統と遺産を重じて未来へ引き継いでいく想いで日々ワイン造りに勤しんでいます。

ティーフェンブルンナー家のルーツは1225年まで遡ります。「リンティクラー」と呼ばれるワイン畑では公式な記録にその頃から言及されています。またこの地域では、石器時代の遺跡が発見されており、城の周りでは、古くから居住地の存在が証明されています。1848年、トゥルムホフはワイナリーとして商業登記され、南チロル全土で最古の家族経営ワイナリーの1つになりました。第二次世界大戦の終戦前に、ヘルベルト・ティーフェンブルンナー(1928-2015)は15歳でワインセラーマスターとして働き始めます。1968年に、彼の妻ヒルデがカンティナにレストラン経営を始めました。2000年には現在のサビーネとクリストフが世代交代を行い、今日に至るまで、家族の文化とワイン醸造の伝統を継承することに専念しています。

【ブドウ畑】バッサアテシーナの中心部にあるブドウ畑

標高250〜1000メートルに広がるブドウ畑。ティーフェンブルンナーの自社畑はニクララ、コルタッチャ、マグレにありその規模は約25ヘクタールにもなります。さらにブドウ栽培契約をしている農家の畑約45ヘクタールを加えるとおよそ70ヘクタールの土地からワインが生まれます。これらの土地は、長年にわたってカンティナと協力してきました。その関係には、自然が提供する資源、その対応、およびその土地ごとの特徴把握が必要になります。

「自然はリズムを与える。私たちはそれに順応し、各品種が最高の状態で栽培できるよう環境整理に細心の注意を払う」 クリストフ・ティーフェンブルンナー 


素晴らしく穏やかな気候。石灰岩を多く含み少量の粘土質土壌。特定のミクロクリマ。バッサアテシーナの西側はこれらの要素がふんだんに含まれた地域で、ブドウ畑に最適な環境が整っています。「人と自然の調和」それは品種と土地の組み合わせにより生まれます。その自然の産物を我々生産者が日々の畑仕事により最高の産物を得ることができます。カンティナの進歩とは、過去から現在まで世代を通じて得た経験、細部へのこだわり、細心の注意を払った手作業。これらは自然から得られるプロセスと同じくらい重要なものです。標高1,000メートルで栽培している貴重な区画『フェルドマーシャル・フォン・フェンナー FELDMARSCHALL VON FENNER』はファヴォーニャ山にあります。この3ヘクタールの畑では、ヨーロッパで栽培されているミュラートゥールガウの中で最も高い栽培地になります。


【カンティーナ】伝統と革新が出会う場所

「希少性にこだわりを」2007年にカンティナのチームに加わったワイン醸造学者のステファン・ローレッガー氏 (Stephan Rohregger)は、個々の品種の特性を最高に表現することを大切にしています。

「干渉しない。それが自然によって固有のブドウが生まれる秘訣です」 ステファン・ローレッガー  

ワインは時計の繊細な歯車のようなもの。数か月間、ブドウ畑で熟成の基礎を築き、その後品種の特性を最大限に活かすために、カンティナでは細心の注意を払います。

『誇張のない素直なワイン』これは私たちが追求するものです。生産ラインには3つの段階で構成されています。ステンレスやオーク材での伝統的な醸造プロセスから、小さなオーク/バリック樽での熟成、そして瓶詰めまで伝統と革新が連携して品質を生み出します。


【品種説明】

PB:ピノ・ビアンコ(Pinot Bianco) 

CH:シャルドネ(Chardonnay) 

PG:ピノ・グリージョ (Pinot Grigio) 

SV:ソーヴィニョン・ブラン(Sauvignon)  

MT:ミュラー・トゥルガウ(Müller Thurgau) 

GWT:ゲビュルツトラミネール(Gewürztraminer)  

PN:ピノ・ネーロ・ピノ・ノワール(Pinot Nero) 

CS:カベルネ・ソーヴィニョン(Cabernet Sauvignon) 

ME:メルロー(Merlot) 

LG:ラグライン(Lagrein) 

VT:ヴェンデンミア・タルディヴァ(Vendemmia Tardiva)

Ris.:リゼルヴァ(Riserva)  


【参考資料】 

Tiefenbrunner HP

[Vini e Cantine dell'Alto Adige] Christoph Tscholl Angelika Deutsch 

[Guida Veronelli]2020 


いかがでしたか。  

このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。  

もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。  

それでは楽しいワインライフを。 


#ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア #ティフェンブルンナー # クリストフ #ニクラーラ #コルタッチャ #フェルドマーシャル