今回はカンティナ情報です。
南チロルにはワイン街道があります。この街道の重要地でもあるトラミン(ドイツ語)というコミューン。(イタリア語ではテルメーノ)このテルメーノ市に位置する家族経営のカンティナ「ホーフシュテッター」社にフォーカスしてみようと思います。
それでは生産者概要からどうぞ。
【生産者概要:Hofstätter】
●所在地:トラミン(テルメーノ伊)
●住所:Rathausplatz 7 39040 Tramin
●サイトURL:https://www.hofstatter.com/
●創業:1907年
●プレジデント: Martin Foradori
●エノロゴ: Martin Foradori
●アグロノモ: ?
●栽培面積:50ha
●生産ライン:計26種類 +2種類のグラッパ(PN:GWT)
de ViTE
WEISSBURGUNDER-Pinot Bianco
BARTHENAU VIGNA S. MICHELE WEISSBURGUNDER
CHARDONNAY
PINOT GRIGIO
MICHEI MÜLLER THURGAU
MICHEI SAUVIGNON
OBERKERSCHBAUM VIGNA SAUVIGNON
JOSEPH GEWÜRZTRAMINER
KOLBENHOF VIGNA GEWÜRZTRAMINER
GEWÜRZTRAMINER VENDEMMIA TARDIVA
KONRAD OBERHOFER VIGNA PIRCHSCHRAIT GEWÜRZTRAMINER
JOSEPH HOFSTÄTTER VIGNA RECHTENTHALER SCHLOSSLEITEN GEWÜRZTRAMINER
HOFSTÄTTER BRUT
KOLBENHOFER SCHIAVA
LAGREIN ROSÉ
LAGREIN
STEINRAFFLER VIGNA LAGREIN
MECZAN PINOT NERO
RISERVA MAZON PINOT NERO
BARTHENAU VIGNA S. URBANO PINOT NERO
MERLOT
CABERNET SAUVIGNON
KIRCHEGG MERLOT CABERNET
LUDWIG BARTH VON BARTHENAU VIGNA ROCCOLO PINOT NERO
BARTHENAU BRUT ROSÉ
●観光:カンティナツアー(要予約)最大30人まで
●ワイン販売: 火 – 金 09.30 - 13.00 14.00 - 17:00 / 土 09.30 - 15.00
●お勧めレストラン:Hofstätter Garten(併設レストラン)
●インポーター: 株式会社ヴィナリウス
歴史
ホーフシュテッターという名前は、100年以上ここ南チロルの優良ワイン製造者として広く知られています。会社の基礎を築いたのはヨーゼフ・ホーフシュテッターでした。当初彼は鍛冶屋でしたが、トラミンで有名な食堂を経営をしていた妻マリアのために、「ハウスワイン」も生み出しました。その後、彼はワインの世界の虜になり、仕事を辞め、ワイン製造に専念するようになりました。
それ以来、「ヨーゼフ・ホーフシュテッター」はイタリア国境を越えて有名になり、顧客は毎年拡大していきました。 1942年のヨーゼフ・ホーフシュテッターの死後、カンティナは妻マリーアに引き継がれました。子供がいなかったヨーセフとマリーアは、当時からワイン造りを共に行っていたコーンラット・オーバーホーファーにワイン生産の舵取りを依頼し、コーンラットはマリアの孫ルイーザと結婚をしました。
コーンラットは、ブドウ畑のポテンシャルを当時から認識していました。そのため、それぞれ畑の名前を表記した "特別畑・Crus"のワインを、南チロルではパイオニアとしてを販売し始めました。 1959年、コーンラットの唯一の娘ジークリンデは、ワイン生産者のパオロ・フォラドーリと結婚しました。
パオロ一家は何十年もの間、エーニャの近くのマゾンという栽培地域でブドウ栽培に専念していました。そのためこの結婚はホーフシュテッターにとって、州南部バッサアテシーナの最高ブドウ生産地が集約することとなりました。このように、トラミンとマゾンはホフシュテッターの基盤となり、現在ではマルティン・フォラドーリによってブドウ畑とカンティナの管理がおこなわれています。4世代に渡って約1世紀に及ぶカンティナの基盤が、若い感性と共に革新へ向かいます。
ホーフシュテッター
ホーフシュテッターは、アディジェ川の西岸と東岸にブドウ畑を所有する唯一の家族経営のワイナリーです。 計50ヘクタールのブドウ畑は、広い谷のそれぞれの斜面で栽培されています。 ホーフシュテッターはトラミン中心の市庁舎広場にあります。 ここで100年以上前にワインの製造を始めました。
現在、ワイナリーはフォラドーリホーフシュテッター家の第4世代によって管理されています。 経営者であるマルティン・フォラドーリホーフシュテッターは、生産の中心的存在であるピノ・ノワールとゲヴュルツトラミネールの栽培に注力しています。100年以上の経験があるバックボーンを下に、最先端のテクノロジーを備えながら、手作業によるブドウ栽培を可能にしています。 カンティナでもモダンで理想的な環境のおかげで、品質を意識した醸造と熟成が可能になります。
カンティナ
建築革新はマルティンの信念でもあります。既存のものは敬意を持って扱われますが、時代と共に、時代にあった変革がいつの時代も必要です。このようにして、過度のない洗練された建築構造が生まれました。 ホーフシュテッターでは、1990年代以降、革新の基準としており、その一環としてカンティナの本部を16世紀に建てられた建物に拠点にしました。オーストリア・ハンガリー帝国王室の用所として建てられ、マルティンの叔母であるマリア・ホーフシュテッターの住まいでもありました。
現カンティナでは、ジョセフが最初のワインを生産しました。複数ブドウの醸造を管理するにはスペースが必要になります。ワイナリーは地上階を高くして、一部「ワインタワー」のように改築して問題を解決しています。1997年に外壁は木材で覆われ、ゴシック様式の教会隣に建てられ、遠くからでもはっきり見えるランドマーク的存在。また2013年には、新しくコンクリートで作った樽も導入しています。その導入のために壁を取り壊したほどです。円錐形であるため、ブドウは繊細に発酵し、温度管理に必要なエネルギーもほとんど消費しません。さらに樽はとてもエレガントで、今日ではセラーの魅力的な要素の1つにもなっています。
エーニャにあるバルテナウの畑
TRAMIN-TERMENO
1145年以来、 "トレミネTremine"として文書化されており、その名前を明らかにしています。 19世紀以降、この土地で生まれたブドウ品種に、その魅力的な芳香性の香りから『ゲビュルツトラミネールGewürztraminer』と呼ばれるようになりました。
南チロルの暖かい高山地帯にあるこのブドウ品種は、調和のとれた酸を持つ高貴な辛口の白ワイン用のブドウです。トラミン・テルメーノ・ワインは、紀元前400年頃にレティの時代から、ここヴァルダディジェで栽培され、この頃からすでに認知されていたと言われています。ローマ皇帝の宴会から、アルプスを越えて中世の領主の宴会、20世紀初頭のハプスブルク家の宮廷まで、「トラミナーTraminer」は常に高い評価を得てきました。これは、トラミン・テルメーノの上のサン・ジャコモ・ディ・カステラズ教会のフレスコ画と、16世紀の貴族フォン・ランゲンマンテルの邸宅など、数多く残された作品によって証明されています。
固有のブドウ畑
エチケット(ワインラベル)に「ヴィーニャ-Vigna」と明記されている場合、その定義は明確です。
フランス人はその起源を「特別畑・Cru」と語っています。ホフシュテッターでも考えは引き継いでおり、その品質とスタイルで、毎年生まれたブドウ畑で最高の品種を表すワインと特徴付けています。
このカンティーナでも1987年には、【バルテナウ・ヴィニャ・サン・トゥルバーノ・ピノ・ネロ Barthenau Vigna Sant'Urbano Pinot Nero】と【バルテナウ・ヴィニャ・サン・ミケーレ・ピノ・ビアンコ Barthenau Vigna San Michele Pinot Bianco】のワインを生産し始めました。
祖先がこれらのブドウ畑の特長を認識し、それらに最適な品種を選びました。ワインは土地の歴史的な起源や原産地、そしてアイデンティティ=テロワールを今も大切にしています。
ホーフシュテッターでは、南チロルで最初に「ヴィーニャ」という用語を導入した会社であり、個々のワインと歴史のあるカンティーナをリノヴェーションし、それぞれのブドウ畑の個性を作り上げました。マルティンの父パオロが行ってきたことと同じように、伝統とテロワールを中心にワイン造りの目的を据えています。ここには多大な労力が必要で、毎年同じ品質と量のブドウを収穫できるとは限らないですし、その結果、毎年生産されるワインも制限がかかります。ワイン生産者にとって、この条件は悪天候やその他の予期せぬ出来事など多くの影響がありますが、ワインラバーにとっては、その品質と魅力が楽しめるキッカケにもなります。ヴィンテージごとに変化する気候条件は、紛れもないワインの特徴です。
モーゼル
2014年3月、マルティンは、モーゼル川の支流であるザール川沿いにある歴史的な ワイナリー "ヴァイングート・ドクター・フィッシャーWeingut Dr. Fischer"を再開する機会を得ました。 リースリングのグロース・ゲヴェックGrosses Gewächs『ボックシュタインBockstein』と古樹を使用したザールブルガークップ Saarburger Kupp」で育てています。
【品種説明】
PB:ピノ・ビアンコ(Pinot Bianco)
CH:シャルドネ(Chardonnay)
PG:ピノ・グリージョ (Pinot Grigio)
SV:ソーヴィニョン・ブラン(Sauvignon)
GWT:ゲビュルツトラミネール(Gewürztraminer)
PN:ピノ・ネーロ・ピノ・ノワール(Pinot Nero)
【参考資料】
Hofstätter HP
[Vini e Cantine dell'Alto Adige] Christoph Tscholl Angelika Deutsch
いかがでしたか。
このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。
もし気になるワインメーカーや、ワイン、生産地などございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。
それでは楽しいワインライフを。
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