【パークレストラン(屋外レストラン)が開きました】
5月25日月曜日から毎年恒例のパークレストラン(屋外レストラン)が開きました。 先週末まで厨房もサービスステーションも屋内でしたが、営業と同時に掃除や下準備を進め(4人スタッフで行う)、他のセクションとの協力を経て開く事ができました。
マネージャーとして行うこと:
例年5月から9月以外は使用しないこの場所は冬の期間埃まみれになります。その汚れを落としお客様を向かい入れるにはそれなりの準備が必要です。また屋内から屋外へ引っ越しをするので、レストランサービスセクション単体の課題ではなく、複数のセクションと協力して行います。
●掃除の段取り:具体的な場所をリスト化してサービススタッフ内の人員配置を行う。
●掃除用具チェック:当日使う掃除用具を衛生管理のセクションリーダーと打ち合わせをして、スムーズに始められるよう 事前準備する。
●備品のチェック:レストランセクションで使用するものはリスト化してスタッフに運んでもらう。他のセクションの協力が必要なもの(レジ用パソコン、ワイン冷蔵庫、サービス用テーブル、毛布、座布団、クッション、ゲスト用椅子とテーブル、ショーケースの設営などなど)は、担当部署ごとに事前にメモを作成し、SNSとメールを使って漏れなく連絡する。
●キッチンスタッフと料理の打ち合わせ。以前の料理に比べて夏らしいさっぱりとしたメニュー構成になっています。お魚のメインディッシュも帆立のグリルと鱈の蒸し焼きと2種類。最近人気な商品は”甲殻類のソースのタリオリーニパスタ、シチリア産の赤海老をのせて”。
●サービス用のセッティングや行動マニュアルはその都度、グループチャットで共有し、やりながら変更・調整していく。その更新連絡もグループチャットに行う。
●チャットだけではスタッフ間に漏れもあると思うので、リアルな場面でも打ち合わせ時間に口頭で説明する。
●リスト化したものは来年のために保管しておき、事前作業量の質と量を抽出しておく。
(この掃除に一人〇〇時間かかる)➡︎シフトを組む際に参考
【ホテルの現状】
ホテルが再開して3週間目を迎えますが、徐々に緩和ムード、外出ムードが目立ってきました。そのような中でホテルは今どのような動きをしているのか?また市や州、隣接している州や国の動きはどのような状況なのかをお伝えしたいと思います。
1:州知事アルノ・コンパッチャー氏の会見
先日5月26日、州知事の記者会見があり、州で定める飲食店のソーシャルディスタンスが2mから1.5mに変更になりました。これによりテーブル間、バールのカウンター席に一定の判断基準が設けられ、それに沿って席数を増やすことができます。ちなみにイタリアの他の州は1mが規定となっているのでそれよりも厳しい条例となっています。
2:飲食サービススタッフの着用マスク
「FFP2」マスクと言う通気性の低いマスクが当初から指定されていました。しかし5月26日の条例改訂案でその基準から外れ、通常の薬局で売っているタイプに緩和されています。しかし着用するスタッフによってはFFP2を継続して使用することも可能です。
3:ホテル側が行える今後来館いただくゲストに向けて
まだ州との間の移動が規制されている中、大々的にホテルのプロモーションは打てない状況ですが、ゲストに安心感を持ってもらうために「ソーシャルディスタンスの徹底」「マスク着用」「アルコール消毒の徹底」などをHP上に表記しています。
4:ホテル側が行える来館していただいたゲストに向けて
現場各所に、HGV(ホテルレストラン経営者協会Hoteliers- und Gastwirteverband)と州条例の定める衛生基準をまとめたものを配置する。表記してある基準を元に業務を遂行していると言うのを認識してもらうためです。
5:デリバリーサービス
4月下旬から始まったデリバリーサービスは、飲食店の再開を機に注文数が減りました。よって5月31日をもって終了となります。なおテイクアウト用ボックスの販売は引き続き継続します。
6:6月より通常スタイルに
ホテルは6月より通常通りのルーティンで社内業務を行います。幹部ミーティングはオンラインではなく対面で行い、またスタッフは館内のパブリックスペースにおいて私服ではなく制服を着用すること。これは以前までデリバリーサービスのライダーが館内を行き来していたので常習化されていました。
7:休業補償に関して
カッサ・インテグラツィオーネ(Cassa integrazione)という休業補償は6月末まで延長となりました。9週間が18週間に延長した感じです。雇用されている社員に関しては少しでも多く就労してもらうために交代制でシフトを組むようになり、幹部クラスでも週に3・4日の出勤と制限されます。出勤しない日は補償を受けると言うスタイルで、これは6月いっぱい継続になります。スタッフとしてを守っていただいている立場ですが、コロナショックの煽りを受けている状況だと実感しています。
8:移動制限撤回について
6月3日にイタリア国内の移動制限が撤回されます。州を跨ぎ国内を移動することができます。また6月15日にはドイツの国境が開かれるため、宿泊客もおそらく増える見込みだと考えています。しかしその間にあるオーストリアのクルツ首相は引き続き国境は開かないと考えており、その期限を噂では8月31日と仮決めしているようです。その場合、ドイツまたはイタリアからそれぞれの国に行く場合、クフシュタイイン(ドイツとの国境街)からブレンネロ(イタリアとの国境街)までオーストリアは通過のみとのことで話されています。おそらく国内の高速出入口は閉まると思いますが、パーキングエリアの立ち位置は詳細不明です。
9:ホテル館内に置く新聞について
現在、館内にはバールとレストラン入り口に新聞が置いてあります。そこにはゴム手袋と使用おすすめの案内も用意されています。以前バールでクレームがあったみたいで、あるゲストは手袋着用し、隣のゲストは着用していませんでした。すると着用していたゲストからホテルにクレームがあり、「俺はつけてるのに、横の人はなんで付けてないんだ?」 とホテル側に迫ったと言います。
ホテル側の立ち位置としては「着用することをお勧め」するというスタンスが確認され、新聞にはアルコール除菌を行うわけではないですし、ゲストの判断にお任せするスタイルになりました。
10: 早速小団体のご予約をいただく
今週土曜日に誕生を祝う小規模な団体ゲストの予約を受けております。屋外のバールで開催されますが、ゲスト同士のテーブル間は距離を置き、提供するお食事も皿盛りしたものをご提供。ブッフェ形態ではないですが、コストを抑えて25人前後の団体客も受け入れ態勢が整っています。
11:イベント・ロングアペリティフについて
バールでは毎週木曜日、ロングアペリティフというイベントを行っていますが、大々的に宣伝はできない状況です。しかしご要望があればリッチなおつまみ盛り合わせとお飲み物、お席はご用意できる状況です。もちろんDJやブッフェはありませんが、他のお客様との距離を確保しながら食前酒をお楽しみいただける状況は完備しており、6月中旬から7月には通常通りの営業ができるように今から準備している状況です。
12: 朝食ブッフェサービスについて
朝食サービスは引き続きルームサービスでご提供する形になります。宿泊されるゲストの予約が増えた段階で再開を検討しますが、そのスタイルは「袋とじの食材を並べたブッフェ形式」なのか、「ご注文に応じてご提供する形式」なのかは後日判断する模様です。ちなみに南チロル州ではブッフェサービスは許可されていますが、しかしイタリアではNGとなっています。
ここまでがホテルの現状です。国と州で法律の強さが変わっているのも特徴ですし、少しづつでも安全を確保しながら経済活動に前進している状況です。
具体的にホテルにチェックインされるゲストには以下のような案内がされています。
・スタッフのアルコール消毒の徹底とゲスト用のスタンド設置を各所に行っております。
・朝食の豊富な種類をルームサービスでお楽しみいただけます。
・レセプション、バール、レストランではソーシャルディスタンスの徹底しております。
・すべての宿泊ゲストには体温チェックを行っております。
・屋外のプールも利用が可能です。同じ部屋に滞在されている方同士は家族でなくても制限距離はかかりません。
ここでプールの課題なのですが、ご利用いただいているゲストが少ない中、どの時間帯が混むかデータが取れない状況です。人で溢れ返ることも想定できるので、段階に応じて制限を設けるか、またはデータを取りチェックインの際に混雑時間をお伝えするかになると思います。
そこで先日堀江貴文さんが星野リゾートの星野社長と対談をされた動画がありました。星野リゾートではパブリックスペースの混雑状況をお部屋のテレビで確認ができると言うことです。リンクを貼っておきますのでご参考にどうぞ。
【関連情報】
いかがでしたか。
このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。
また今回のように私が勤めているホテルの現状に関しても時々アップデートしていこうと考えています。
もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。
それでは楽しいワインライフを。
#自粛 #ホテル #レストラン #再オープン #ワイン #試飲 #南チロル #アルト・アディジェ #イタリア #北イタリア
0コメント