今回はホテルの朝食がスタートした内容に関してお伝えしたいと思います。
先週(6月3日)に突然ディレクターよりメールがあり、「明日から朝食を始めるので調整を頼む」との内容で、スピード感を持って対応しました。当日まで11人程度の宿泊数でルームサービス対応で対応できたのですが、6月3日はイタリアの州を跨ぐことのできる初日、またドイツの国境も開いた初日なので一気に予約が20人程度に増えました。
ちなみに以前のブログで、ドイツは6月15日以降国境が開くとお伝えしましたが、訂正します。また長距離列車や長距離バスでの運行に関しては、まだ運行状況が確認できていません。恐らく6月中旬・下旬には運行再開すると思います。ドイツのフリックスバス(Flixbus)は6月25日に運行再開予定です。
話を朝食ブッフェのお話に戻しますが、水曜日の午前中にディレクターから連絡があってから、幹部会議に出席しそこから細かい調整を始めました。マネージャーとしての動きを再度リスト化してみました。
1:ハブになるスタッフに連絡
➡︎朝食スタッフのリーダーが不在だったこともあり、すぐに召集できるスタッフ、とりわけホテル内に滞在しているスタッフに声をかけ、私と彼女中心にリスタート準備をしていきます。ホテルからのリクエストはスタッフ1人で回せるスタイルで、必要とあればバールからスタッフを借りる形態。そのスタートメンバーを集めのがポイントです。
2:ブッフェスタイルで提供できるものをリストアップ
➡︎以前のようなリッチなオープンブッフェではなく、モノポーション(小分けした)皿で何を提供できるか抽出します。コーンフレーク、ミューズリー、フルーツ、ハム・チーズ、サラダ等々。同時にどの場所に何を置くかも考えて、見栄えも考慮していきます。
3:2でリスト化したものをどのセクションが準備するのか確認する
➡︎コーンフレーク、ミューズリーなどは朝食スタッフが事前に準備できますが、フレッシュなものはキッチンスタッフにお願いしなければなりません。なので調理場スタッフにお願いするものをまとめて個別に打ち合わせします。
4:テーブルセッティングの考案
➡︎以前のようにナプキンからシルバー(カトラリー)、コーヒータス、塩・胡椒を置くスタイルではなく、必要最低限のものだけ置くようにします。取皿、ナプキン、不用品入れ、パン容器のみです。
5:ゲスト入店から退店までのシュミレーションを考える
➡︎入店してから注文、接客、そして退店するまでの流れをチェックし、その間サービススタッフとして対応できることをリスト化します。もしマスクや手袋をしていなかった場合、コーヒーを頼まれた場合、ブッフェにないものをご注文された場合、などなど想定できる状況を深掘りしてその対応を考えていきます。
6:衛生面の再確認
➡︎朝食サービスでもゲストが立席した場合、椅子やテーブルなどを掃除していきます。そのやり方やトーション・洗剤などの種類や管理など具体的に確認していきます。
7:朝食で使う備品の確認
➡︎以前から使用していたものを基準に、衛生面で安全なものは継続で使用し、そうでないものは一旦撤去します。今回改めて使用したものは、シースルーの開閉式カバー付きトレイ。ここにはパンやクロワッサンを入れていきます。2階層式バットホルダー。ここにはコーンフレークに混ぜるナッツやドライフルーツなどを乗せます。またトングやフレッシュオレンジジュース、ミルクなど多数のゲストが触れるもの、場所も認識し、定期的に交換、または拭き掃除なども行います。
8:マニュアル化
➡︎書面でスタッフそれぞれが確認できるスタンダードマニュアルを作成します。スタッフとして最低限行うマスクや手袋着用、体温チェックなどから、ゲストが来るまでにセッティングしておくこと。これは具体的に場所を特定し細かくリスト化していきます。また5で表記した、ゲストの入店から退店までのシュミレーションにサービスとして対応することもリスト化します。特に今回から新しく導入された項目に関しては色をつけて漏れがないように注意します。
9:関連スタッフをSNSでグループ化して情報共有
➡︎SNSでグループを作成し、朝食に関連するスタッフ全てに入ってもらいます。セッティング状況から細かい連絡までこのグループチャットに入力してもらい、在宅スタッフも情報をアップデートしてもらうようにします。
まだスタートして1週間も経っていませんが、今回やってみてわかったことがいくつかあります。それは如何に多くの人を巻き込みながら、既存のやり方に拘らずに行うこと。また情報共有と内容の明快さがポイントになったにではと思います。誰かをハブにして小規模の渦から、だんだんと規模を拡大していく。
またそこから業務内容の「見える化」をして、細かく仕事を分担していきます。見える化する事で頭の整理にもなりますし、周りの意見も取り入れやすくなります。
そして一番重要なことは、そもそもの基準となる考え方を明確にする事です。『このプロジェクト(朝食ブッフェの再開)はゲストに対し【安心と安全】を提供する』。この軸をブラさない事。
これらを達成するためにスタッフをまとめるリーダーとして何ができるか?と考えた結果が上記の9つの事でした。これは他のどの職種やどのプロジェクトでも共通する考え方ですが、無論ホテルやレストランでも活用できます。
いかがでしたか。
このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。
また今回のように私が勤めているホテルの現状に関しても時々アップデートしていこうと考えています。
もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。
それでは楽しいワインライフを。
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