今日は鶏の唐揚げが食べたいけど、飲み物は何にしよう?
と思われた方は、是非ともワインをお勧めいたします。
【注意】
このサイトでは唐揚げに合うワインを見つけるだけでなく、唐揚げの歴史や背景、その食べ方やなぜお勧めワインと合うのか綴られているブログです。ご興味があれば最後までご覧ください。
ちなみに「日本唐揚協会」が定義する『唐揚』とは・・・
➡︎唐揚げ(から揚げ、空揚げ)とは、揚げ油を使用した調理方法、またその調理された料理を指す。 食材に小麦粉や片栗粉などを薄くまぶして油で揚げたものです。 一般的に唐揚げの具材は、鶏肉の唐揚げを想像する方は多いと思いますが、 決して限定しているわけではありません。 魚の唐揚げも、野菜の唐揚げも、鶏以外の肉の唐揚げもすべて唐揚げです。
(日本唐揚協会HPより)
唐揚の歴史は江戸時代にまで遡ります。中国から伝来した普茶料理では「唐揚げ」と書いて「からあげ」または「とうあげ」と読みました。当時は野菜や魚を揚げていたと言われており、今日の鶏の唐揚げが外食メニューに登場したのは、大正創業の「食堂・三笠」現在の三笠会館になります。現在では全国各地に様々な揚げ物が存在します。
戦後国策として養鶏場が全国に多く広がりました。その際、美味しい食べ方が色々な形で発展していき、唐揚げも多く食べられるようになりました。唐揚げが食卓に多く見られるようになったのは、ここ30~40年のことですが、その中でも多くの養鶏場があった大分県北部(中津市・宇佐市など)では、その文化が根付き今日では「唐揚げの聖地」として多くのファンから支持されています。
今回は鶏の唐揚げをメインに、どの地域にどのような調理方法があるのか考えてみましょう。
【鶏の唐揚げの種類・産地と特徴】
1 山賊焼
場所:長野県塩尻市・松本市(中信地方の郷土料理)
特徴:鶏の竜田揚げ。鶏もも肉を使用し、ニンニクや玉ねぎを利かせた醤油タレにつけ込み、片栗粉をまぶして揚げたもの。
※山口県にも同じ名前のお料理があります。こちらは骨付きもも肉を照り焼き風のタレに絡めてあぶり焼きをしたもので、別のお料理です。
2 手羽先唐揚げ
場所:愛知県名古屋市
特徴:揚げたあとにタレを塗り、塩・胡椒・白ごまなどを振りかけて仕上る。表面の皮の食感でコショウのスパイスが強い。
3 聖地中津からあげ
場所:大分県中津市
特徴:店舗によって味の違いがあるが、薬味を加えたタレに漬け込んだ鶏肉を使用するのが多い。
4 せんざんき
場所:愛媛県今治市近辺(東予地方の郷土料理)
特徴:鶏のいろいろな部分を骨付きで揚げた料理。キジを捕獲し揚げ物にしたところから起源。
それぞれにはどんなワインが合わせられるでしょうか?
それはずばり、
●アルコールのボリューム感がある
●果実味よりも熟成香り高い
●スパークリングの気泡と酸・ミネラルが十分に感じられる
まずは、それぞれ味の違いを考えてみましょう。
1 山賊焼
鶏もも肉は弾力と肉の脂身が特徴です。そこにニンニクや玉ねぎの香り、醤油タレのコクに、片栗粉で揚げたサクサクっとした食感が楽しめます。
【お勧めワインのタイプ】
●辛口スパークリングや、ミネラル感のあるドライな白
【合わせるポイント】
●鶏ももの脂身とスパークリングのさっぱり感のバランス
●片栗粉の食感をワインの塩み(ミネラル感)で調和
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
シャルトロン・エ・トレビュシェ・クレマン・ド・ブルゴーニュ・ブリュット・シャルドネ 2017 【フランス】【白スパークリングワイン】
➡︎ブルゴーニュ地方のシャンパンスタイル・スパークリング。シャルドネ100%でエレガントな酸とクリーミーな気泡が特徴。ニンニクや玉ねぎの香味と片栗粉のサクサクした食感と合せたい。
ドメーヌ・ルージョ・ブルゴーニュ・シャルドネ・ラ・モナティーヌ 2017 【フランス・ブルゴーニュ】【白ワイン】
➡︎ブルゴーニュ地方のムルソー村の生産者。ムルソーの弟分ではあるがブドウのコクだけでなくバランスの取れたミネラル感が十分に感じられる。唐揚げ本来の脂身とのマッチング。
2 手羽先唐揚げ
名古屋は名物店がたくさんありますが、主にタレの甘みとコクに加え、各店のオリジナルスパイスの香りとカリカリした食感が食欲をそそります。
【お勧めワインのタイプ】
●スパイシーさと調和をとるマイルドなロゼワイン、酸とアルコールのバランスがとれた白ワイン
【合わせるポイント】
●ロゼのほのかな果実味と、タレの甘み・スパイシーさを調和させる
●甘さと酸味の中に、手羽先の脂身を合わせる
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
アンジョス・デ・ポルトガル・ヴィーニョ・ヴェルデ・ロゼ【ポルトガル】【ロゼワイン】
➡︎ポルトガルの微発泡性のロゼワイン。アルコールは比較的低めだが酸と果実味のバランスが良いほのかな甘みとスパイシーさを調和させたい。
バルタザール・レス ヴォン・ウンサレム・ラインガウ・リースリング・トロッケン 2018 【ドイツ】【白ワイン】
➡︎ドイツ・ラインガウ地方のリースリング。味わいは複雑みと味わいの奥深さが注目。タレの甘みや手羽の脂身と調和させたい。
3 聖地中津からあげ
一般的にイメージする唐揚げ。しかしお店によって味の深みが変わってくる。薬味を加えたタレのコクと衣の食感が魅力的。
【お勧めワインのタイプ】
●唐揚げ本来の脂身にワインのコクを合わせる、薬味とタレのアロマに抱擁感のあるブドウ品種。
【合わせるポイント】
●ブレンド品種のマイルド感と、本来の脂身を合わせる。
●アロマのあるワインと、薬味とタレのコクを調和させる。
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
セイェール・デル・ロウラ・おたまじゃくし(Cullerot) 2017 【スペイン】【白ワイン】
➡︎スペイン・バレンシア地方のブレンド白。ペドロ・ヒメネスなどの地元品種を使用し、アンフォラ(粘土からできた壺)で熟成。ブレンドのコクと唐揚げ本来のコクを合わせる。
ビンツ+ブラット フランコナ 【ドイツ】【白ワイン】
➡︎ドイツ・ラインヘッセンのブレンド白。シルバーナーのコクにバッカスのマイルド感。薬味とタレの香りとワインのアロマを合わせたい。
4 せんざんき
骨周りの脂身に強めの食感。揚げ物の食感だけでなく肉質と脂身が特徴的。
【お勧めワインのタイプ】
●コクのあるロゼスパークリング、タンニンとボリューム感(アルコール度数)のある赤。
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
ロジャー・グラート・カバ・コーラル・ロゼ・ブリュット 【スペイン】【スパークリングワイン】
➡︎スペインのカヴァ。ロゼのスパークリングでガルナッチャとピノ・ノワールのブレンド。華やかさのなかにコクを感じるので、肉の食感と脂身に合わせたい。
ナーリー・ヘッド・オールドヴァイン・ジンファンデル2015 【カリフォルニア】【赤ワイン】
➡︎樹齢35-80年の古樹から作られたジンファンデル種。熟したカシスやコーヒーのような香ばしさと引き締まるミネラル感とのバランスを、特有の脂身と味のコクとの調和させる。
いかがでしたか。
このサイトでは親しみのある日本食に合うワインを、味覚の観点からご紹介するブログ内容となっています。
もし気になるお料理や食材などありましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。
それでは楽しいワインライフを。
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