前回に引き続き、あまり日本では知られていない南チロル産のワインに関してご紹介。
そもそもアルプスの麓にあるこの南チロルは、どのように形成されたのか?
【土壌】
南チロルの土壌は以下のようにして形成された。
漸新世から中新世にかけアフリカ大陸がヨーロッパ大陸へ衝突したことで、白亜紀にテーチス海で堆積した地層が圧縮され盛り上がって出来た(Wikipediaより)
〜3種の代表土壌〜
1:Porfido Vulcanico :火山斑岩
2:Quarzo e Mica :石英・雲母
3:Calcare Dolomitico:苦灰岩性石灰→炭酸塩鉱物の石灰岩
1:火山斑岩(出典:Wikipediaより)
2:石英・雲母(出典:Can Stockより)
3:苦灰岩性石灰(出典:Wikipediaより)
ヨーロッパとイタリア半島が衝突した際に、土地が隆起して出来たと言われている。
そして5度の氷河期を経て、氷河が渓谷を形成したとされる。
この山と谷が南チロルワインにとって非常に重要な要因である。
【渓谷】
例えばヴェノスタ渓谷では、西方面側スイスから氷河の影響で形成されたと言われている。
ヴェノスタの中心にはラーザ[Lasa(伊)-Laas(独)]という町があり、
その土壌には「ビアンコラーザ」と呼ばれる大理石がある。
氷河が流れてきた際、その大理石がアディジェ渓谷のナレスまで到達したと言われていて、
その距離は約60km。自然の力で土地を60kmも動かしたというのだ。
ボルツァーノ上空から(出典:Wikipediaより)
【湖】
アルプスにたくさんの湖があるのも特徴。これらは氷河期の影響が関わってくる。
氷河の堆積物が渓谷を塞いで、また溶けた氷が川へ流れて溜まった場所が湖になる。
南チロルのワイン生産地域で重要なのは、カルダロ湖。
この湖畔は非常に暑い地域なので、ブドウの完熟度が高まる。
【沖積平野】
沖積平野は、平野の一種であり、主に河川による堆積作用によって形成される地形。河川によって運搬された砕屑物(礫、砂、泥)が、山地間の谷底や、山地を離れた平地、河口、さらに沖合にかけて堆積して平野となったものをいう。(Wikipediaより)
ボルツァーノ盆地はこの形で形状される。
【モレーン】
モレーンとは、氷河が谷を削りながら時間をかけて流れる時、削り取られた岩石・岩屑や土砂などが土手のように堆積した地形のこと。(Wikipediaより)
盆地から渓谷の入り口にかけてのエリアにみられる。例:ボルツァーノからイザルコ渓谷にかけて。
いかがでしたか。
次回はその歴史背景について深掘りしていきたいと思います。 このブログでは南チロル(アルト・アディジェ)州を中心に、様々なワイン生産地を気候、歴史、独自ブドウ品種などを紹介しております。
もし気になる生産地やワイン、ワインメーカーなどございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。
それでは楽しいワインライフを。
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