【試飲会レポート】『ピヴィPIWI』比較試飲@メラーノ

前回の続き。 

 『ピヴィPIWI』比較試飲@メラーノ

『ピヴィPIWI』の比較試飲についてご紹介いたします。日本には、ほとんど入っていないアイテムだと思いますが、「時世代のワイン」として注目されています。


それでは続きをお楽しみください。


【試飲ワイン一覧】

Cerealto Bianco Veneto 2017 Terre di Cerealto  

Bronner 2017 Lavis  

Limine IGT 2017 Terre di Ger  

Johanniter 2016 Vin de la Neu Nicola Biasi  

Vino del Passo 2017 Lieselehof  

Lieselehof Brut 2015 Lieselehof  

Abendrot 2013 Hof Gandberg  

Johanniter 2013 Vin de la Neu Nicola Biasi  


ワイン1

【ワインの詳細】 

ワイン名: チェレアルト Cerealto Bianco Veneto 

年号: 2017 

生産者: Terre di Cerealto(ヴィチェンツァ)

URL:http://www.terredicerealto.it/it/prodotti/vini/7/vini/42/cerealto-igt-veneto-bianco

生産初年度:2017 

平均生産本数: ? 

ブドウ品種: ヨハンニーターJohanniter 60% · ブロンナーBronner 40%

土壌性質: 粘土質が少ない砂質(豊富なミネラル分)

畑の名前: Altopiano di Cerealto

畑の向き: 南から南東

畑の大きさ: ? 

畑の管理形態: 自社畑 

平均海抜:700 m s.l.m.

栽培方法: グイヨ式

平均樹齢: ? 

密植度/h: 5000本/ha

最大収穫量(resa): ? 

収穫法: 手摘み(9月下旬から10月上旬)

発酵&マセレ容器:?

マセレ温度: ? 

発酵温度:?℃、 

発酵期間:?日間 

樽熟成: 7ヶ月 (澱接触シュールリー)

熟成容器: ステンレス+樽(6%)

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:?ヶ月 

アルコール度数:12.40% vol 

酸度: 7,10 g/l 

残糖度:1,00 g/l 

pH: 3.20

インポーター:なし

サービス温度:10°/12°

ワインの印象:細身なタイプ。リースリングのような細身のスタートでだんだんと広がるイメージ。舌の中心から酸味が伸びていく。一方ミネラル感は全体を覆う存在。

ヨハンニーターJohanniterはリースリングを基準にハイブリット化させた品種。

味覚図:


ワイン2

ワイン名:ブロンナー Bronner  

年号: 2017 

生産者: ラヴィスLavis (トレント)

URL:https://la-vis.com/i-nostri-vini

平均海抜: 200/300 m s.l.m. 

※情報量が少ないため詳細は割愛いたします。


ブロンナーBonnerはハイブリット種。 

150年前から始まっていたハイブリット文化。1828年にはフランスでスタートされている。

このブロンナーはドイツのフライブルグ大学で1975年に開発。

フィリップ・ブロンナー博士がマルツェリング種(Seyve-Villard5-276 x((Riesling x PG))

x(ツァルヤ•セヴェーラZarya Severa x サン・ロレンツォSan Lorenzo)を交配させて作る。

ワインの印象:シャルドネやピノ・グリージョのようなまとまった果実味が印象。優等生。酸とミネラルは口に入れた瞬間から感じられ、両者とも舌の中央をなぞって広がっていく。

味覚図:


ワイン3

【ワインの詳細】 

ワイン名: リミネ Limine IGT 

年号: 2017 

生産者: テッレ・ディ・ジェル Terre di Ger   

URL: https://www.terrediger.it/vini-terre-di-ger/

生産初年度:2016

平均生産本数: 1400本 

ブドウ品種: ソレーリ Soreli、ソーヴィニョン・クラトスSauvignon Kretos

土壌性質: Argilloso sassoso con fossili di origine marina

畑の名前・位置: Vigneto di Villaraccolta, Pasiano di Pordenone 

畑の向き: 北と南

畑の大きさ: ? 

畑の管理形態: ? 自社畑 

平均海抜: 6m s.l.m. 

栽培方法: グイヨ式

平均樹齢: ? 

密植度/h: ? 

最大収穫量(resa): ? 

収穫法: 手積み

発酵&マセレ容器:INOX + フレンチオーク(バトナージュ)

マセレ温度: ? 

発酵温度:16℃、 

発酵期間:30日間 

樽熟成: 7ヶ月 (バトナージュ)

熟成容器:一部フレンチオーク

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:?ヶ月 

アルコール度数:14 % vol 

酸度: ? g/l 

残糖度:? g/l 

インポーター:?  

逸話:リミネとは方便で”境界confine”、正確には「敷居の上」という意味。それは有機ワインとその未来のワインという意味合いを持っているらしい。

ワインの印象:口に入れた瞬間から肉厚なボリューム感がある。余韻が長く、むしろ後味の伸びも特徴的である。舌の両脇に感じるミネラルと後味に真っ直ぐ伸びる酸も心地よい。

味覚図:


ワイン4

【ワインの詳細】 

ワイン名: ヨハンニーターJohanniter  

年号: 2016 

生産者: ヴァン・ドゥ・ラ・ヌ Vin de la Neu Nicola Biasi 

URL: https://vindelaneu.it/

生産初年度:2013 

平均生産本数: 444 bottiglie e 30 magnum

ブドウ品種: Johanniter 100%

土壌性質: ドロマイト Dolomia

畑の名前: Coredo particella 209

畑の向き: 南東

畑の大きさ: ? 

畑の管理形態: 自社畑 

平均海抜: 832 m s.l.m. 

栽培方法: アルベレッロ仕立て Alberello

平均樹齢: 8年(〜2012年) 

密植度/h: 16.600本/ha

最大収穫量(resa): 50 hl/ha

収穫法: 手摘み(2016年10月15日)

発酵&マセレ容器:バリック(フレンチオーク225lt.)(50%新樽+50%2年目)

マセレ温度: ?

発酵温度:16℃、 

発酵期間:18 日間 (12月末まで毎日バトナージュ、それ以降は週一ペース)

樽熟成: 10ヶ月 

熟成容器: バリック(barrique 225 lt.) 

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:12ヶ月 

アルコール度数:12.70 % vol 

酸度: 6.90 g/l 

残糖度:1.20 g/l

pH:3.20 

インポーター:なし

品種について:

ヨハンニーターはRiesling x (Seyve Villard 12-481nx "PG x Gutedel")のハイブリット。

2003年ドイツのフライブルグ大学の研究員長、ヨハンネス・ツィンマーマン氏から名前を取る。

ワインの印象:リースリングのような骨格。口に入れると大人しいスタートだが3・4秒後に肉厚な果実味。酸味は中央から広がり、ミネラル感は舌を引き締める。

味覚図:


ワイン5

【ワインの詳細】 

ワイン名: ヴィーノ・デル・パッソ Vino del passo

年号: 2008

生産者: Liselerhof

URL: https://lieselehof.com/it/i-nostri-vini

生産初年度:2007

平均生産本数: 700本

ブドウ品種: 100% ソラリスSolaris

土壌性質: 鉄分豊富な粘土質と赤い石灰岩からなる土壌で、砂利がわずかに散在している  

畑の名前: ルガーノ峠とメンドラ峠  

畑の向き: ? 

畑の大きさ: ? 

畑の管理形態: ? 自社畑 

平均海抜: ルガーノ峠1100m、メンドラ峠1300m   m s.l.m. 

栽培方法: ? 

平均樹齢: 約12年(〜2008年)

密植度/h: ? 

最大収穫量(resa): 40q/ha 

収穫法: ? 

発酵&マセレ容器:大樽+INOX

マセレ温度: ? 

発酵温度:?℃、 

発酵期間:21日間 

樽熟成: ?ヶ月 

熟成容器: ? 

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:?ヶ月 

アルコール度数:? % vol 

酸度: ? g/l 

残糖度:? g/l 

インポーター:? 

逸話:ソラリスは標高が低い地域で育てると早熟な為、糖度が上がり十分な酸が形成されない。標高の高い地域だと成熟が遅くなり、バランスがよくなる。それでも完熟した途端に野鳥に食べられたりする。祖父にムスカット・オットネルMuscat ottnellという品種が使われている。

ワインの印象:口に入れた瞬間の果実味とボリュームがある中、口の中を引き締める強烈なミネラル感と酸が特徴的。後味にかけて広がるボリュームも品種の特徴か。

味覚図:


ワイン6

【ワインの詳細】 

ワイン名: リーゼレルホフ・ブリュット Lieselehof Brut

年号: 2015

生産者: Lieselehof

URL: https://lieselehof.com/it/i-nostri-vini

生産初年度:? 

平均生産本数: ? 

ブドウ品種: 100% Souvigneir Gris 

土壌性質: 層のある赤粘土質に小石混じり土壌

畑の名前: ? 

畑の向き: ? 

畑の大きさ: ? 

畑の管理形態:  自社畑 

平均海抜: 250 m s.l.m. 

栽培方法: ? 

平均樹齢: 2012年植樹

密植度/h: ? 

最大収穫量(resa): ? 

収穫法: ? 

発酵&マセレ容器:? 

マセレ温度: ? 

発酵温度:?℃、 

発酵期間:?日間 

樽熟成: ?ヶ月 

熟成容器: ? 

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:?ヶ月 

アルコール度数:? % vol 

酸度: ? g/l 

残糖度:? g/l 

インポーター:? 

特徴:アンセストラル製法、ブロンナーが親品種(リーゼレルホフで育成)、収穫は完熟する前に行う、発酵時は糖度25g/lt.のモストが9時間で0g/lt.に減少。以降6・7ヶ月、5日ごとにバトナージュ、二次発酵では糖度の高いブドウモストを加え30ヶ月酵母と共に熟成。澱抜き後、補糖は行わずパ・ドゼPas Doseで仕上げる。

ワインの印象:泡からくるクリーミーさが口に含んだときの特徴。第二のボリューム感も後味にかけて広がる。酸は舌の中央に寄せて、ミネラルは中央から縦に伸びる。

味覚図:



ワイン7

【ワインの詳細】 

ワイン名: アーベントロット Abentrot

年号:  2015

生産者: Hof Gandberg

URL: http://www.thomas-niedermayr.com/en/06-abendrot-2016

生産初年度:? 

平均生産本数: 1.790 bottiglie + 50 magnum

ブドウ品種: 100% スヴィニエール・グリスSouvignier gris

土壌性質: 粘土質、非常に層の厚い石灰質にホワイトドロマイト質砂利混じり 

畑の名前: アッピアーノ・モンテ

畑の向き: ? 

畑の大きさ: ? 

畑の管理形態: ? 自社畑 

平均海抜: 520m s.l.m. 

栽培方法: ? 

平均樹齢: 11年(2006年植樹)

密植度/h: ? 

最大収穫量(resa): ? 

収穫法: 手積み 10月19日から21日

発酵&マセレ容器:? 

マセレ温度: ? 

発酵温度:?℃、 

発酵期間:30日間 

樽熟成: 22ヶ月 

熟成容器: INOX、 

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:?ヶ月 

アルコール度数:13,5 % vol 

酸度: 4,8 g/l 

残糖度:2,1 g/l 

インポーター:? 

ワインの印象:非常に色の濃いキャラメル色、香りは複雑な果実味、枯れた感じ、熟した感じ様々な印象。味わいは口に入れた瞬間の存在は大人しめだが、後味にかけてのボリューム感が肉厚。舌の両端に塩っぱ味の塊がありここを起点に酸とミネラルが口の中を交差する。

味覚図:


ワイン8(最終)

【ワインの詳細】 

ワイン名: ヨハンニーターJohanniter  

年号: 2013

生産者: ヴァン・ドゥ・ラ・ヌ Vin de la Neu Nicola Biasi 

※ワイン4と同様なので詳細は割愛いたします。

ワインの印象:2016年と違って口に含んだときのふくらみが明らかに違う。リースリングの細身、エレガントさが嘘のようなボリューム感。ミネラル感は舌の中央に寄せてくる締める感じがあり、酸も全体的に存在感を示す。この品種は寝かせれば寝かせるほど強烈なキャラクターが開花する。

味覚図:


いかがでしたか。  


このブログでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の情報や関連イベント、製品からその味の感じ方まで紹介しております。

また今回のようにワイン醸造における新しい考え方やその団体の考え方や方向性などもご紹介できればと考えています。  

もしご不明な点やワインに関する気になるジャンル、生産地、ワインメーカーなどございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。  


それでは楽しいワインライフを。 




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Avvocato del Vino Altoatesino

【旧:南チロルの風ブログ】2003年よりイタリア・南チロル地方(イタリア語:アルト・アディジェ州)で働くソムリエが、ワイン生産者やイベント、地域について紹介するブログです! 【南チロルの風ブログURL: https://altoadigefiordiciliegio.blogspot.com/】

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