【焼肉に合うワイン】
今日は焼肉が食べたいけど、飲み物は何にしよう?
と思われた方は、是非ともワインをお勧めいたします。
【注意】
このサイトでは焼肉に合うワインを見つけるだけでなく、焼肉の歴史や背景、その食べ方やなぜお勧めワインと合うのか綴られているブログです。ご興味があれば最後までご覧ください。
日本の焼肉文化とは・・・
日本人は飛鳥時代から狩猟で得た肉を焼いて食べるという文化があったと文献で言われています。
江戸時代には食肉文化があったとされ、彦根藩の近江牛が注目されるのもこの頃だったと言われています。また明治時代初頭では軍隊が牛肉食を普及させたとして、日清日露戦争期を通じて牛肉の消費は急激に拡大しました。1930年代には朝鮮韓国料理としてホルモン焼き屋が日本の普及し始めたと語られてます。戦後1946年、焼肉の元祖とされる「明月館」「食道園」が誕生し、1950年代にはエバラ食品から発売された「焼肉のタレ」が普及し、一気に国民食となりました。
現在では全国に約18,000以上もの店舗が存在し(出典:2014年【地域の入れ物】のHPにて)、店舗数では東京が2000店舗以上とダントツ1位です。しかし人口10万人に対しての店舗数の数では、全国平均15店舗のところ28店舗とダントツなのは石川県です。
それではまず焼肉を、どのような食べ方で楽しむか考えてみましょう。
焼肉といえば・・・
牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉だけでなく、加工肉や野菜などとも一緒に楽しみます。
しかし今回はあえて『牛肉』に絞って、いくつかの部位や食べ方に深掘りしていきたいと思います。
代表的な部位
1:牛タン
(舌、脂肪含量が非常に高くカロリーのほぼ75%が脂肪)
2:カルビ
(肋骨(あばら)とその周辺のバラ肉)
3:ロース:
(肩から腰にかけての背肉の部分)
4:ハラミ
(腹側の肋骨に接する部分)
5:ホルモン
(内臓肉(もつ)狭い意味では、胃袋、腸)
これらの部位の焼肉にはどんなワインが合わせられるでしょうか?
まずは、それぞれ味の違いを考えてみましょう。
1:牛タン
牛タンは「タン元」「タン中」「タン先」に「タン下(別名:さがり)」と4つの部位に分かれます。違いは柔らかさで、前者から後者にかけて部位が硬くなります。
ちなみに「タン下」とはその名の通り牛タンの下についている部分で、タン先より固いのでミンチにするお肉屋さんもあれば、焼肉屋で見かけることもあります。
焼肉では主に薄く輪切りに焼くのが一般的で、塩だけで食べるタン塩や脂を落として焼いたタンにさっぱり感を与えるためレモン汁をつけて食べるというのもあります。
もちろんお好みで焼肉のタレにつけて食べる場合もあります。
【お勧めワインのタイプ】
●クリーミーな泡がマイルド感を与えるスパークリング
●酸が特徴的な白ワイン
※両者とも若干温度を低めて
【合わせるポイント】
●コリコリした食感にも合う、スパークリングの気泡とマイルド感
●脂肪分からくる滑らかな食感と、バランスをとるワインの酸味
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
ラ パッション グルナッシュ ブル・ド・パッション・ブリュット【フランス】【白スパークリングワイン】
➡︎フランス南部のラングドック・ルーション地方のスパークリング。ユニ・ブランという比較的ニュートラルな品種をメインにコロンバールとマカブーのブレンド。酸味とエレガントさが特長的。温度を若干下げて泡のクリーミーさと酸を引き立たせて、牛タンの食感と合わせたい。
コノスル・リースリング・リゼルヴァ・エスペシャル・ヴァレー・コレクション 2018 【チリ】【白ワイン】
➡︎チリ生まれのバリューワインとして名のしれたコノスール。チリのリースリングはヨーロッパのものと比べても引けを取らないミネラルと酸が豊富なタイプ。若干温度を下げてより酸味を生かした状態で、牛タンの脂味と食感を合わせたい。
2:カルビ
韓国語で肋骨(あばら)という意味とのことですが、韓国料理では周辺に付いている肉、つまりばら肉全体のことをいいます。骨付き部位もあるので、脂の甘さと絶妙な歯応えが特長的です。
細部に至れば「外バラ」と「中バラ」に分かれており、「外バラ」の【タテバラ】、【サンカク】、【インサイドスカート】。「中バラ」では【カイノミ】、【中落ち】と分かれています。。
「中バラ」はその脂身とコクのある食感が特長的です。
塩やタレで食べる意外に、事前に作ったタレに漬け込んで味を染み込ませても美味しいです。
【お勧めワインのタイプ】
●酸が豊なロゼ
●暖かい地域で凝縮感のある赤ワイン
※両者とも若干温度を低めて
【合わせるポイント】
●タレをつけた脂味とコクに、キリッとしたロゼの酸味
●噛みながら感じられる脂味に、舌を疲れさせないワインのミネラル
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
テヌータ・モンテキアッシィ(ダル・チェロ)ミラリィ・ロゼ 2018【イタリア・トスカーナ】【ロゼワイン】
➡︎イタリア・トスカーナ州のロゼ。黒ブドウのサンジョベーゼとシラーにヴェルメンティーノという白ブドウをブレンド。ロゼ本来のコクをタレのアクセントと調和させ、温度を冷やすことで酸味やミネラルをよりキリッと感じさせルことで、お肉の脂身と合わせる。
ラ・パッション・グルナッシュ 2016 【フランス・ラングドック・ルーション】【 赤ワイン】
➡︎フランス南部、ラングドック・ルーション地方のグルナッシュ種。スパイシーな香りに凝縮感が特長的。若干温度を冷やすことによりタンニン(渋味)や酸を引き出すことで、お肉の脂身とタレのコクに調和させる。
3:ロース
ロースは主に「まえ」と「ロイン」に分かれており、「まえ」は肩ロース、かた、肩バラ。
「ロイン」にはリブロース、サーロイン、フィレに分かれています。具体的には、それぞれまた細部に分かれていますが、大部分は焼肉ラバーが虜になる部位たちです。
柔らかさで言えば、【肩芯】や【ザブトン】と呼ばれる肩ロースの部分と【みすじ】【うわみすじ】と呼ばれるかたの部分は特長的です。
また【マキ】と呼ばれるリブロースや【サーロイン】は脂身のコクと柔らかさが際立ち、【フィレ】と【シャトーブリアン】は口溶けは比べ物になりません。シャトーブリアンは若干脂身も増します。
塩やタレで食べる意外に、大根おろしや玉ねぎ、ニンニク等で香り付けしたタレと絡めて香りをふんだんに楽しむのも乙です。
【お勧めワインのタイプ】
●コクのあるロゼスパークリング
●果実味とミネラルのバランスを感じる赤ワイン
※両者とも若干温度を低めて
【合わせるポイント】
●肉質と脂身から感じられる柔らかい食感に、スパークリングの泡とコクで調和。
●口に溶けるお肉の食感を、ワインの果実味とミネラルでバランスをとる。
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
ボデガ・イニエスタ・コラソン・スプマンテ・ロサード【スペイン】【ロゼスパークリングワイン】
➡︎スペイン南東部にある地中海に面した地域のボバル種100%のロゼ・スパークリング。元スペインサッカー代表のイニエスタ選手のワイナリー。標高が700mと高いブドウ畑で、樹齢も20年もの。ミネラル感と寒暖の差による酸味が特長的なので、シンプルにお肉の旨味と味わっていただきたい。
ドメーヌ・ジャン・タルディ・エ・フィス・ブルゴーニュ・パストゥグラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ 2016 【フランス・ブルゴーニュ】【赤ワイン】
➡︎ブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネに位置する作り手タルディ社。メオカミュゼからメタヤージュ (分益小作契約)しワイン造りを開始する。樹齢55年の古樹を使用し、ピノ・ノワールとガメイをブレンド。若干温度を低くして、古樹のミネラル感に果実味を引き立たせて、肉の質感と旨味を合わせたい高貴な組み合わせ。
4:ハラミ
「ハラミ」は”もつ”の一種で、主に横隔膜の背中側とその下部にある肺を動かすための筋肉を指します。赤みのような食感で脂身も甘く、個人差はありますが比較的食べやすい部位です。同じく横隔膜の一部に「サガリ」という部分があります。ここはハラミと比べて肋骨付近の分厚い部位で、若干脂の量が少ない部位です。
筋肉なので味がしっかりしている分、専用のタレにおろしニンニクや七味などで香りを加えて味わうのも美味しいと思います。
【お勧めワインのタイプ】
●シンプルに酸を感じるスパークリング
●果実味豊富な赤ワイン
※両者とも若干温度を低めて
【合わせるポイント】
●肉本来の旨味と脂味に、スパークリングの泡と酸で調和。
●タレに加える薬味に負けない、果実味のある赤ワインでバランスをとる。
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
スパークリングワイン アルテラティーノ・カヴァ・ブリュット【スペイン】【白スパークリングワイン】
➡︎スペイン・カタルーニャ州ペネデスのスパークリング。シマカベオ50%、チャレッロ25%、パレリャーダ25%というブレン比率。口に含むときめ繊細な泡がマイルド感を伴い、あとから豊かな果実味と酸味が広がる味わい。お肉のコクと旨味をシンプルなスパークリングの気泡とともに味わいたい。
ローガン・ワインズ・ウィマーラ・ピノ・ノワール2018 【オーストラリア】【 赤ワイン】
➡︎オーストラリア・シドニー近郊の冷涼な産地で栽培されたピノ・ノワール。ふんだんな果実味にリコリスやスパイシーさも加わり複雑味が感じられるワイン。若干温度を下げるとタンニンと酸も加わり、肉の脂身と薬味の香りがより引き立つ。
5:ホルモン
一般的に「ホルモン」や「もつ」で提供されるのは、大体が腸や胃袋です。特徴は、コリコリした食感やフワフワした食感など多彩な味わいがあるということです。
大動脈の【コリコリ】、第2胃袋【ハチノス】、胃袋と胃袋の間にある【ヤン】、第3胃袋【センマイ】、ジュワーっとジューシーな第4胃袋の上部【ギャラ】、小腸【コプチャン】などなど多彩です。
ホルモンは豚肉も有名ですが、両者とも主に事前にタレにつけ込んで味をつけます。焦げがつかないようにゆっくり遠火で焼きますが、食感とつけタレの味わいが特徴になってきます。
【お勧めワインのタイプ】
●スパイシーな風味の赤ワイン
●果実味とタンニンのバランスが取れた赤ワイン
※両者とも若干温度を低めて
【合わせるポイント】
●多彩な食感に、ワインの香りをアクセントとして合わせる。
●つけ込んだタレの香りと素材のコクに、ボディのあるキャラクターでバランスをとる。
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
ハートランド・シラーズ 2016 【オーストラリア】【 赤ワイン】
➡︎南オーストラリア州で作られたシラー100%。天才醸造家と言われるグレッツァー氏のワイン。ちなみに彼はオーストラリアでイタリア固有の品種、ドルチェット種と我らがラグレイン種を栽培している。ワインは果実香に加え、黒コショウやバニラのような香りがふんだんに感じられる。多彩な味わいのホルモンに香りとコクで勝負する。
ファットリア・ディ・ロルナーノ・コマンダトール・エンリコ・ロッソ 2015【イタリア】【赤ワイン】
➡︎トスカーナ州のキャンティ地区に位置するカンティナ。サンジョベーゼをメインにカベルネとメルローをブレンド。ボルドー出身の奥様が、シャトー・ペトリュスと交流があるようで、ペトリュスの熟成樽で熟成。凝縮した果実味にエレガントなタンニンが加わり、多彩な食感を飽きさせない組み合わせ。
いかがでしたか。
今回オススメしたワインはどれも若干冷やし目に飲んでいただきたいと思います。
炭火は七輪、グリル板の近くで焼きながらワインを飲むと、必然的に温度が高くなります。
スパークリングやロゼは氷多めアイスクーラーに保存し、赤ワインは水多めのアイスクーラーでお楽しみいただけると思います。
この場合も、グラスはしっかりと香りが楽しめるように、大きめのグラスでお楽しみください!
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もしご不明な点、また気になるお料理、食材等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。
それでは楽しいワインライフを。
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