【試飲会レポート】『アッピウス』比較試飲@メラーノ(後編)

前回の続き。

『アッピウス』比較試飲@メラーノ(後編)


『アッピウス』のバーティカル試飲についてご紹介いたします。

最後にはこの年にリリースしたニューワイン『ザ・ワイン・コレクション』のご紹介もあります。


それでは続きをお楽しみください。



【『アッピウス』の試飲レポートの続き】


2013 

白ワイン向きのビンテージ。 暑さは厳しくなく例年通りの収穫量。 

9月中旬から下旬までの収穫期間。 

品種割合:55%CH、25%SV、10%PB、10%PG 

 

香り:パイナップル、パッションフルーツ、パパイヤ  


味わい:スタートから奥行きのあるボディ、後味のボリュームは幅広さが特徴的。ミネラル感は全体を覆い、酸は舌の中央から両サイドに広がる。 


味覚図: 


アルコール度数:14% vol 

酸度: 5.4 g/l 

残糖度:3 g/l 



 【逸話2】 


この年からSVのマセレーション(醸し)期間を長めにする。  

長めにすることにより、若干の酸化が促され、第一のアロマより第二のアロマの方がより鮮明になる。 これは以後、14、15年も引き続き行われている。 


 「品質の継続性」とは 

より葡萄畑の仕事が重要と認識していて、『アッピウス』は自身がワインを作っていくとハンスは言う。それはつまり『アッピウス』の味というのがある程度決まっていて、それに対応できる品種を調整しながら比率を変えてブレンドしていく。 

2018のブドウ栽培の品質が良かったヴィンテージでも、80ql/haと収穫量を一定数抑えて収穫を行なった。

2013年はバランスがいいのと、心地よさがワンランク上 




2014 

 (この段階ではリリース前の商品) 

 非常に難しいヴィンテージ。特に赤ワイン。 ハンス曰く、チームがブドウ畑の仕事からカンティナまで非常にタフな仕事をしてくれた。  

ハンスがワインガイドに対して苦言を呈す。それは年号ごとに、いい年、悪いとしと決めてしまうjことの危険性。作り手によっては非常に調熟タイプにもなりうる仕事を畑で表現してくれる。 逆も然り。01 00 99(一般的に優良ビンテージと言われる年号)は取り分け白ワインにはもう耐えきれない寿命になっている。 


 『アッピウス』は特に年号が表現された味わい。  

12年はポテンシャルが高く、13年はよりフルーティ。14 年は特徴的なといえる。  

年号によってその個性は変わってくる。 


 品種割合: 8%PB、12%SV、15%PG、65%CH 


香り:洋梨(ウイリアムス)のようなかおりからヘーゼルナッツローストのような香ばしさ、還元香に幅広い香り立ち。 


味わい:細身のスタート。後に感じるボリューム感も比較的大人しめ。特徴は酸が口に入れた時から存在感を出し、ミネラルが全体を覆う印象。しかししっかりとした軸がはっきりと感じられる。 


味覚図: 


アルコール度数:14 % vol 

酸度: 5.5 g/l 

残糖度:3 g/l 



 【逸話3】

 

『アッピウス』という名前を命名する前に、仮の名前があった。 

 それは[オーンツoanz] 南チロルの方便で「いち」という意味。 

なぜそれにしたかは不明だが、不評だったのは間違いない。ハンスが提言してくれた。


ハンスは南チロルのワインに必要なものを唱える。 それは純粋性、清涼感、華麗さ。 個人的には非常に抽象的な概念だが、要は品種や土壌の個性、飲みやすさ、に集約しているように思う。



ソーヴィニョン・ザ・ワイン・コレクション

『アッピウス』に含まれなかったSVを単独でボトリング。 

【ワイン概要】

ワイン名: Sauvignon The Wine Collection 

年号: 2015

生産者: San Michele Appiano 

生産初年度:2015

平均生産本数: 3000本

ブドウ品種: 100% Sauvignon

土壌性質: 小石混じりの石灰質土壌 

畑の名前:モンテ Monte (Eppan Berg) 

畑の向き: ? 

畑の大きさ: ? 

畑の管理形態: 契約畑 

平均海抜: ? m s.l.m. 

栽培方法: グイヨ式

平均樹齢: 25 – 35年

密植度/h: ? 

最大収穫量(resa): 40 hl/ha

収穫法: 手積み

発酵&マセレ容器:INOX 

マセレーション期間:3日間

マセレ温度: ? 

発酵温度:?℃、 

発酵期間:?日間 

樽熟成: 12ヶ月 ➡︎12ヶ月

熟成容器: トンノーTonneaux➡︎ステンレスINOX

樽メーカー: ? 

清澄: ? 

瓶熟:?ヶ月 

アルコール度数:14 % vol 

酸度: 6 g/l 

残糖度:5 g/l 


香り: パイナップル、すぐり、パッションフルーツ、白桃


味わい: 細めのスタートからだんだんとボリューム感が広がる。酸が舌の中央から縦に真っ直ぐ伸びて、ミネラル感は舌の両サイドからボディーを引き締める印象。


味覚図: 




いかがでしたか。


今回は2018年のワインフェスティヴァルで行われた、『アッピウス』の比較試飲についてレポートしました。

まだ日本に上陸していない『アッピウス』と『ザ・ワイン・コレクション』の情報を先取りでお届けれきれば嬉しいです。

 

このブログでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、製造工程から味の感じ方まで紹介しております。 


もし気になるワインや生産地、ワインメーカーなどございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。 


それでは楽しいワインライフを。 



 関連情報 





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Avvocato del Vino Altoatesino

【旧:南チロルの風ブログ】2003年よりイタリア・南チロル地方(イタリア語:アルト・アディジェ州)で働くソムリエが、ワイン生産者やイベント、地域について紹介するブログです! 【南チロルの風ブログURL: https://altoadigefiordiciliegio.blogspot.com/】

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