今日はうなぎが食べたいけど、飲み物は何にしよう?
と思われた方は、是非ともワインをお勧めいたします。
【ご注意】
このサイトではうなぎに合うワインを見つけるだけでなく、うなぎの歴史や背景、その食べ方やなぜお勧めワインと合うのか綴られているブログです。ご興味があれば最後までご覧ください。
歴史
日本では約5000年前、縄文時代の貝塚からうなぎの骨が出土しています。記録として登場するのは、「風土記」(713)に初めて書かれ次いで「万葉集」(759)にも歌われているようですが、調理法などは記されていません。蒲焼きが最初に文献に登場したのは、応永6年(1399年)に著された「鈴鹿家記」です。その中でうなぎを筒切りにして串に刺し焼いて食べた、その姿形が蒲(がま)の穂に似ていたことから、「蒲焼き」と呼ばれるようになったと言われています。
そもそも、うなぎは「土用の丑の日」に食卓に並ぶのが一般的でした。通常天然のうなぎは、5月から漁が解禁され、冬眠を迎える10月前後まで漁獲が続きます。なので栄養分を多く含んだ秋口のうなぎが旬とも言われています。しかし近年、天然うなぎの漁獲量減少から、養殖された環境で育つうなぎの需要が高まり年間を通じて美味しく召し上がってもらえるよう、養殖技術が進歩してきました。
そのようなうなぎをどのように調理をするか考えてみましょう。
白焼きか蒲焼か?
白焼きならどのような味付けをするか?蒲焼ならは関東風か、または関西風か?
1【白焼きとは】
たれを付けず、そのまま素焼きにしたものをいいます。
白焼きの食べ方
① 塩:王道の組み合わせ。素材の旨味がダイレクトに感じます。
② ワサビ醤油:あっさりの中に素材の旨味が引き出されます。
③ 洋風(ハーブソルト・オリーブオイル):和から洋へ。香りやコクを楽しめます。
2【蒲焼とは】
白焼きにタレをつけて焼いたものをいいます。
蒲焼のスタイル
① 関東風(背開き)
➡︎白焼きを蒸してから焼くので、味が染み込み柔らかく仕上がります。
② 関西風(腹開き)
➡︎白焼きを蒸さずに焼くので、カリッとした食感に仕上がります。
うなぎにはどんなワインが合わせられるでしょうか?
それはずばり、白焼きには白、蒲焼には赤です。
まずは、それぞれ味の違いを考えてみましょう。
1−1白焼き+塩
白焼きしたうなぎは、本来の旨味が直接感じられます。
若干のカリカリ感とホクホクした食感、ほのかな脂身に炭からくる香ばしさ、塩味で全体の味を引き締めます。
【お勧めワインのタイプ】
●スパークリングや香り高い白ワイン
【合わせるポイント】
●カリカリした食感と、スパークリングの気泡
●ホクホク感とほのかな脂身には、ワインの酸味
●炭の香りと、ブドウのアロマ
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
カナルス・ナダル・ブリュット・ナチュレ・ グラン・レセルバ 2014 【スペイン】【白スパークリングワイン】
➡︎ドザージュゼロの極辛口スペインのカバ。酸味と気泡から感じられるマイルド感を、うなぎのカリカリした食感と合わせると美味。
コノ・マールボロ・ソーヴィニョン・ブラン2019 【ニュージーランド】【白ワイン】
➡︎ニュージーランドのソーヴィニョン。トロピカルなワインのアロマと酸味特徴的な味わいです。うなぎの炭の香りとホクホクした食感に合わせたい。
1−2白焼き+ワサビ醤油
醤油は塩よりもコクを感じるように加えます。
適量のワサビで『さっぱり感』を与えます。
【お勧めワインのタイプ】
●コクのある白ワイン、ミネラル感のある白ワイン
【合わせるポイント】
●うなぎ本来のコクに、ワインのボディを合わせる
●ワサビのさっぱりした香りと、樽熟成からくるブーケやブドウ品種のアロマ
●醤油の塩分とコクに、ワインの塩みとマイルドな味わい
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
ドメーヌ・ウィリアム・フェーブル・シャブリ 2018 【フランス】【白ワイン】
➡︎ドメーヌ・ウィリアム・フェーヴルの極旨シャブリ。独特のミネラル感に、うなぎと醤油から感じられるコクを合わせたい。
シミ・ソノマ・カウンティ・シャルドネ 2018 【カリフォルニア・ソノマ】【白ワイン】
➡︎カリフォルニアのシャルドネ。厚みのある果実味に高めの酸度、それらをうなぎの旨味、醤油のコク、さっぱりとワサビの風味でバランスをとる。
1−3白焼き+ハーブソルト&オリーブオイル
ハーブソルトの場合、塩みとハーブのアロマが特徴的です。
オリーブオイルの場合、オイル香りとうなぎの香りが強調されます。
【お勧めワインのタイプ】
●海沿いの白ワイン(地中海)、アロマのあるブドウの辛口白ワイン
【合わせるポイント】
●ハーブソルトの香りと、アロマティックブドウの香り
●オリーブオイルの粘性と、暑い地域のコクのあるワイン
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
カルーソ&ミニーニ・テッレ・ディ・ジュマーラ・インツォリア 2018 【イタリア】【白ワイン】
➡︎シチリア島の土着品種インツォーリア。地中海のさっぱりとした酸味とブドウのアロマを、洋食風うなぎのコクと共にマリアージュ。
ポール・ドウチェ・エ・フィス・サンセール2018 【フランス ・ロワール】【白ワイン】
➡︎フランス・ロワール地方のソーヴィニョン。みずみずしい果実味とワインのコクに、洋風うなぎの香りと食感を引き立たせる。
2−1蒲焼(関東風)
背開きにしたうなぎの白焼きを蒸してから焼くので、味が染み込み柔らかく仕上がります。
タレの甘みと山椒のスパイシーに口に溶ける柔らかい食感は特徴です。
【お勧めワインのタイプ】
●スパイシーなアロマ、または地中海沿いのハーブような香りがする赤ワイン
【合わせるポイント】
●タレの甘みと身の滑らかさに、ボリューム(アルコール)のある赤ワイン
●山椒のスパイシーさを、ブドウのアロマ(スパイシー、ハーブのようなアロマ)を合わせる
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
グレッツァー・ワラス 2017【オーストラリア】【赤ワイン】
➡︎オーストラリア最高峰の作り手、グレッツァー氏の一本。シラーとグルナッシュのスパイシーさを濃厚な蒲焼の甘みとコクで合わせる。
ボデガ・イニエスタ・フィンカ・エル・カリール・エチセロ 2015 【スペイン】【赤ワイン】
➡︎サッカー元スペイン代表イニエスタ選手のワイナリー。シラーだけでなくプティ・ヴェルドやテンプラニーリョ、カベルネ・ソーヴィニヨンもブレンド。ワイン全体的な骨格がうなぎのコクや香りを包み込む。
2−2蒲焼(関西風)
腹開きにしたうなぎの白焼きを蒸さずに焼くので、カリッとした食感があります。
うなぎのコクが凝縮して、備長炭を使ったパリッとした食感に炭の香りが特徴的です。
【お勧めワインのタイプ】
●コクのあるロゼ、香り高いスパイシーな赤
【合わせるポイント】
●凝縮した身のコクと、ほのかな酸味とミネラル感
●炭の香り・タレのコクに、ブドウ品種のアロマ、樽熟成からくるスパイシーな香り
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
ドメーヌ・ラファージュ タロンハ 2017 【フランス】【オレンジワイン】
➡︎南仏のオレンジワイン。グルナッシュ・グリ85%、グルナッシュ・ブラン15%のブレンドで若干冷やすとワインの酸味とミネラル感が引き締まり、うなぎのカリカリした食感とコクを引き立たせる。
トゥア・リータ・ペルラート・デル・ボスコ・ロッソ 2015 【イタリア】【赤ワイン】
➡︎イタリア、トスカーナの海沿いで作られたワイン。グルナッシュ60%、ムールヴェードル25%、シラー15%とブレンド。凝縮した果実味と香草のアロマが、うなぎの炭のかおり、タレのコクと合わせる。
いかがでしたか。
このサイトでは親しみのある日本食に合うワインを、味覚の観点からご紹介するブログ内容となっています。
もし気になるお料理や食材などありましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。
それでは楽しいワインライフを。
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