今回はカンティナ情報です。
知人のワイン商がオンラインセミナーに招待してくれました。ガルダ湖近くの生産者コスタリーパです。コスタリーパはガルダ湖西(ブレッシア県)ヴァルテネジValtenesiというロゼワインの産地で、ロゼ、白、赤に加え、マッティアヴェッツォラというブランドでスパークリングも生産しています。
【生産者概要 Costaripa ・ Mattiavezzola】
●所在地:Moniga del Garda(ブレッシア県)
●住所:Via della Costa 1/A, 25080 Moniga del Garda
●URL: https://www.costaripa.it/en/
●創業:1936年
●経営形態:家族経営
●プレジデント: Mattia Vezzola
●エノロゴ: Mattia Vezzola
●アグロノモ: Giulio Vecchio
●栽培面積:60 ha
●栽培形態:ビオディナミ農法
●生産ライン:計13種類
■Valtenesi Rosè(3): RosaMara、 Molmenti、 PalmArgentina,
■Valtenesi Rossi(4): Mazane、 Campostarne、 Maim、 Castelline,
■Lugana(1):Pievecroce,
■Mattia Vezzola(5):Brut、Brut Rosè s.a.、Crèmant s.a. Grande Annata Brut、Grande Annata Rosè
●観光:カンティナツアー(要予約)
●ワイン販売: カンティナ内に併設
●インポーター:株式会社ヴィーノフェリーチェ
ワイン造りに情熱を注ぐ家族経営のカンティナ
ガルダ湖といえば「ヴァルテネシ」。ガルダ湖の南西にあるブレッシア県のこの地域では長い間ワイン造りを行ってきました。1800年代後半に蔓延したフィロキセラの影響を受けた地域でもあります。
この地域は地中海のような恵まれたミクロクリマで、ロゼワインの重要な生産地域になります。ちなみにこの地域では年間300万リットルものオリーブオイルが生産されています。
主なブドウは「グロペッロ種」でコスタリパ社では1936年の創業以降、「この土地の個性を感じる品質のあるワインを作る」と言うのがテーマとなり、その価値観を持ったスタッフと共にヴァルテネシを生産し続けてきました。スパークリングワイン以外、土着品種に拘った理由もここには隠れています。
カンティナはブドウ畑に囲まれたモニガ・デル・ガルダのコミューンにあり、ヴァルテネシの中心部にあたります。カンティナの外観も、周囲の土地の特徴を重要視し、自然の素材を使用することによって、地域の調和を大切にしています。場所の形態と色彩にも融合するように設計されています。
カンティナでは伝統を重じています。4世代を経た今日でも「最高の品質」を目的として、最新のテクノロジーと共存しながら育んてきました。全てに関わる方達へ向けて、カンティナツアーと試飲ができる環境を整えています。ワインの歴史と作り手の考え方を伝えていく場所となっています。
マッティア・ヴェッツォーラ
マッティア・ヴェッツォーラMattia Vezzolaは、彼の経験、情熱、哲学をガルダ湖の最も高貴で代表的なワインに注いできました。彼はロゼワインのスタイルを改めて解釈し、独特で現代的なスタイルに仕上げました。彼にとって比較と研究を日々積み重ねることを大切にしています。その経験を通して世界的に認められるワイナリーとして認知されるようになりました。
マッティア曰く「ワインは、太陽、ヒューマン、フォリエーレfogliere(風と土)の条件が揃って初めて最高の品質を織りなす」
マッティアは典型的な現場主義者です。畑を歩いてブドウの品質を確認したり、ワインセラーで熟成具合を自分の舌で確かめて、展示会では進んで足を運びワイン商やレストランオーナーの声を聞く。
生産地のオリジナル性を感じるワイン、そして長熟タイプ、長く楽しめるタイプのワインを生産する。
これがマッティアのワイン造りのテーマになってます。
(先日のウェビナーの様子:ロゼワインの色彩について講義中)
カンティナの歴史
1973年:ガルダ湖の最初のメトードクラシコ(スパークリングワイン)を作る
1984年:グロペッロ品種の品質を見直し量から質へ変換する。トップブレンドの「マイムMaim」をボトリング。品格と高貴さがテーマとなったワイン。
1994年:1896年に最初の「キアレット」を作成したポンペオ・ゲラルド・モルメンティに捧げ、ヴァルテネージの土地にふさわしい伝統も受け継いだワインを『キアレットChiaretto』作る。
2004年:イタリアソムリエ協会より「年間最優秀ワインメーカー」として表彰される。
2008年:イタリアワインガイド(ガンベロロッソ)によって「年間最優秀ワインメーカー」再選される。
2014年:イタリアのソムリエ財団により「2015年のベストイタリアワインメーカー」に再選される。
2015年:デュッセルドルフでの「プロヴァインProwein」の期間中、ドイツソムリエ協会によりドイツで最高のワインメーカーに選出される。
2015年:ガルダワインの主要な3つのコンフラタニティー(同胞団)によって、ヴァルテネージの権威ある生産者として「パラディオ・ガルデザーノ」賞が捧げられる。
2016年:「ヴィタエVITAE」ガイドによって以下の動機に関連する特別な記事になる。
「このブドウ産地に生産的な変化をもたらすことに貢献したワイン。言うまでもなく価値のある品質であり、または土着品種のポテンシャルに改めてフォーカスしたことは称賛に値する」
収穫はpHが低い早朝5:30ごろから始まり、破砕・圧搾するまで10℃で保存されます。酸やミネラル、そして香りをデリケートに仕上げるために細かいところまで目を配ります。今回はその代表例でもあるロゼの比較試飲です。それでは具体的にワインにフォーカスしてみましょう。
試飲ワイン1
ワイン名: 「ローザマーラ」Valtènesi Riviera del Garda Classico Chiaretto RosaMara
年号: 2019
生産者: Costaripa
URL: https://www.costaripa.it/rosamara/
生産初年度:?
平均生産本数: 170,000本
ブドウ品種: Groppello Gentile 50 %, Marzemino 30%, Sangiovese 10 %, Barbera10%
土壌性質: 氷河期に形成された砂利混じりのモレーン土壌に加え、粘土質土壌
畑の名前: ?
畑の向き: ?
畑の大きさ: ?
畑の管理形態:自社畑
平均海抜: ? m s.l.m.
栽培方法: グイヨ式(ダブル)Guyot bilaterale
平均樹齢: 25年
密植度/h: ?
最大収穫量(resa): ?
収穫法: 手摘み(早朝気温が低い間に収穫)
発酵&マセレ容器:INOX+木樽(228lt.)➡︎モストの糖度が高い部分のみ使用
マセレ温度: ?
発酵温度:?℃、
発酵期間:?日間
樽熟成: 6ヶ月
熟成容器: ?
樽メーカー: ?
清澄: ?
瓶熟:?ヶ月
アルコール度数:13 % vol
酸度: ? g/l
残糖度:? g/l
【試飲情報】
色合い: 濃い桜色、玉ねぎの皮、艶のある粘性とクリスタルのような輝き
香り: 果実味が横に広がるボリューム、余韻も長い。わずかにスパイシーで繊細なフレッシュ感。桃や小さな赤果実、サンザシの花、グレープフルーツやザクロ
味わい: 細身のスタートから後味にかけてボリュームが広がる。酸は舌の中央に、ミネラルは全体を引き締める存在。
味覚図:
サービス温度: 10-12℃
マリアージュ: 赤海老の刺身、マリネ、中華やアジアンのスパイシーな料理、香草などで味付けした白身肉、日本食であればカツオのタタキ。
試飲ワイン2
ワイン名:「モルメンティ」Valtènesi Riviera del Garda Classico Chiaretto Molmenti
年号: 2016
生産者: Costaripa
URL: https://www.costaripa.it/molmenti/
生産初年度:?
平均生産本数: 5,000本
ブドウ品種: Groppello Gentile 60%, Marzemino 20%, Sangiovese 10% Barbera 10%
土壌性質: 氷河期に形成された砂利混じりのモレーン土壌に加え、粘土質土壌
畑の名前: ?
畑の向き: ?
畑の大きさ: ?
畑の管理形態:自社畑
平均海抜: ? m s.l.m.
栽培方法: グイヨ式
平均樹齢: 50年
密植度/h: ?
最大収穫量(resa): ?
収穫法: 手摘み(早朝気温が低い間に収穫)10回から15回に分けて個別収穫
発酵&マセレ容器:?
マセレ温度: ?
発酵温度:?℃、
発酵期間:?日間
樽熟成: 24ヶ月
熟成容器: トンノー(Tonneaux)400lt.
樽メーカー: ?
清澄: ?
瓶熟:24ヶ月
アルコール度数:13.5 % vol
酸度: ? g/l
残糖度:? g/l
【試飲情報】
色合い: 明るいピンク、真珠色、時間とともに金色に変わる。
香り: リッチで複雑味のある香り。白桃の花、小さな赤果実。 時間が経つにつれて、バニラやシナモンのニュアンスが現れる。
味わい: 細身の口当たりから後味にかけて膨らむボリューム、そして伸びが特徴。一方ミネラル感は舌の中央に引き締める存在で、酸は全体の骨格を引き伸ばしてくれる。
味覚図:
サービス温度: 12-15℃
マリアージュ: 魚介のパスタ、トマトソース煮込みの魚メインディッシュ(鯛や鱸)、日本食であればうなぎの白焼き、タラの煮付け
逸話:味のバランスを取るためにはブドウは完熟していないといけない。そこでポイントになるのは【酸】で「酒石酸」の濃度が高ければ『甘み』が増え、「リンゴ酸」の濃度が高ければ『渋味』が増す。
試飲ワイン3
ワイン名: 「ブリュット・ロゼ」Brut Rosé s.a
年号:年号なし
生産者: Mattiavezzola
URL: https://www.costaripa.it/brut-rose-s-a/
生産初年度:?
平均生産本数: 75,000本
ブドウ品種: Chardonnay 80% , Pinot Nero 20%
土壌性質: 氷河期に形成された砂利混じりのモレーン土壌に加え、粘土質土壌
畑の名前: ?
畑の向き: 南、南西向き(ガルダ湖畔でも比較的涼しい地域)
畑の大きさ: ?
畑の管理形態:自社畑
平均海抜: ? m s.l.m.
栽培方法: ギュイヨ式(ダブル)Guyot bilaterale
平均樹齢: 25年
密植度/h: ?
最大収穫量(resa): ?
収穫法: 手摘み(早朝気温が低い間に収穫)
発酵&マセレ容器:?
マセレ温度: ?
発酵温度:?℃、
発酵期間:35%のモストが白樫の木で作られた小樽228リットルで8ヶ月。残りはINOX。
樽熟成: ?ヶ月
熟成容器: ?
樽メーカー: ?
清澄: ?
スパークリング要瓶熟期間:24〜30ヶ月
アルコール度数:12 % vol
酸度: ? g/l
残糖度:5.5 g/l
【試飲情報】
色合い: 白い泡がに細かいパールのよう。繊細で淡いピンク色で時間の経過とともにピンクの色合いに艶が増す印象。
香り: はっきりとした清涼感、クリスピー。すぐりやラズベリーのような赤果実を連想させ、若干柑橘系を思わす清涼感が特徴的。
味わい: 口に入れた瞬間のクリーミーさ、ボリューム感が一気に広がる。ピノ・ネロだけのポテンシャルでなくシャルドネの気品と酸味が後味にかけて奥行きのあるボリューム感を加える。
味覚図:
サービス温度: 4 - 6 °c
マリアージュ: サーモンやマグロのカルパッチョ、肉、魚問わずオールマイティーに楽しめる。日本食であればタレをつけて食べる焼肉、または焼き鳥。マグロのステーキにも合わせられる。
スパークリングをサービスする際の注意点
シャンパーニュ地方のフィリポナというメゾンで2年、フランチャコルタのベッラヴィスタ社で40年勤めたマッティア・ヴェッツォリが拘る、泡を最大限に生かしたグラスの注ぎ方を教示してくれました。
1:シャンパングラスに数滴注ぐ
2:グラスの底に液体がある状態で更に1cm強注ぐ
1の工程がない状態で注ぐとマッティア曰く、気泡が飽和しクリーミーさが欠けます。また若干アルコール感が際立ち、味のバランスが歪になります。この小さな一つの工程を経て注がれたスパークリングは、細かく詰まった気泡のクリーミーさだけでなく、ほのかな甘み、果実味が最大限に活かされるような気がします。
【参考資料】
Costaripa HP
[Guida Veronelli]2020
いかがでしたか。
このブログではでは南チロル(アルト・アディジェ)のワインを中心に、生産者の概要からワイン造りへの思いまで紹介しております。
また今回のようにご縁をいただいた他の地域のワイナリーにもフォーカスしてイタリアワインを盛り上げていきたいとも考えています。
もしご不明な点や気になるワインメーカー、ワイン、生産地等ございましたら、どうぞお気軽にコメント欄にお書きください。
それでは楽しいワインライフを。
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