今日は餃子が食べたいけど、飲み物は何にしよう?
と思われた方は、是非ともワインをお勧めいたします。
【ご注意】
このサイトでは餃子に合うワインを見つけるだけでなく、餃子の歴史や背景、その食べ方やなぜお勧めワインと合うのか綴られているブログです。ご興味があれば最後までご覧ください。
【歴史背景と現代の餃子】
『餃子』とは、小麦粉を原料にした皮に、肉・エビ・野菜で作った餡を包み、焼き、蒸し、茹で、揚げで食べるお料理のことをいいます。発祥の地中国では、紀元前206~220年(漢代) 小麦食が一般化し、点心が小麦の食べ方の一つとして根付くようになり、日本には1778年(江戸時代 安永7年) 中国料理書『卓子調烹法』で初めて餃子が紹介されています。日本の庶民が食べ始めるようになったのは 第二次世界大戦後、引揚げ者によって普及されたと言われています。
日本で最もポピュラーな餡は、豚肉(鶏肉も一部使用)、キャベツ、ニラ、ニンニクをが主に使用したものが食べられています。有名な餃子の産地は主に、宇都宮市(栃木県)と浜松市(静岡県)です。
●宇都宮の餃子:酢のみで食べるのが主流と言われているが、店舗により様々な食べ方が存在する
●浜松の餃子:キャベツをふんだんに使った甘みが特徴で、塩茹でしたもやしが添えられた独特なスタイル
ちなみに他にも有名な地域はありますが、その詳細はまた次回以降、深掘りしていきたいと思います。
今回は餃子を調理方法別に考えて、それに合うワインを探していきたいと思います。
【餃子の種類と食べ方】
1:焼き餃子
日本で一番食べられている食べ方。
フライパンに少量の油と水を加え、蓋をして蒸し焼きにした後、香ばしく焼き上げるタイプ。
➡︎タレは主に醤油、米酢、ラー油を使うが、ポン酢、ゆずポン酢でさっぱり食べる方法もある。スパイスをより効かせたい場合は、ラー油意外に胡椒、柚子胡椒、マスタードなども美味しい組み合わせ。またゴマだれやマヨネーズと組み合わせてこってりと味わうのも美味。
2:水餃子(茹で)
中国で食べられている一般的な食べ方。焼き餃子よりも厚めの皮でもちもち感が特徴。
皮の美味しさが楽しめる。
➡︎コクのあるタレに薬味を入れて食べる。一部では茹でた餃子が茹で汁と共にドンで提供される場合があるが、その場合はドンに直接タレやラー油、薬味を入れて楽しむ。日本ではスープ餃子の具としても食べられている。
3:蒸し餃子
中国の点心では最もポピュラーな食べ方。味が逃げずに皮の食感が楽しめる。
中の具が色々変えられる『変わり餃子』の調理方法としても取り入れられる。
➡︎タレをつけてもいいが、無くても食べられるような味付けになっている。中身の具によっては味がリッチになる。さっぱり感を出したい場合は、ゆずなどの柑橘系や生姜を醤油に混ぜて食べるのもいい。
4:揚げ餃子
日本で馴染み深い食べ方。
中国にも調理法は存在しているようだが、実際お店で見かけることは少ないとのこと。
➡︎醤油や豆板醤を混ぜて作るタレは間違いない美味しさ。さっぱり食べる場合は、酢豚のような甘酢ソースを用意するのもいいが、より簡単にポン酢にごまや白髪葱、大根おろしを添えるのも良い。逆にこってり仕上げる場合は、マヨネーズやマスタードを加えても美味。
それでは餃子にはどんなワインが合わせられるでしょうか?
それはずばり、
●辛口の発泡性タイプ
●辛口の中に、ほのかに果実味を感じるタイプ
●ボリューム感とキリッとした酸味とのバランスが取れたタイプ
まずは、それぞれ味の違いを考えてみましょう。
1:焼き餃子
カリッとした食感と中身の餡のコクや香りが特徴です。醤油にお酢、ラー油を加えてバランスを活かすか、よりさっぱり感を味わうにはポン酢で油みを中和させます。スパイスを活かすには、柚子胡椒やマスタードで香りを高めます。
【お勧めワインのタイプ】
●超辛口のスパークリング
●酸の生き生きした白ワイン
【合わせるポイント】
●餡の挽肉の脂身に、中和できるさっぱり感をスパークリングの気泡から
●ホクホクした食感とニラやニンニクの香りに、シンプルな味わいの中に生き生きした酸
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
レッソ・カバ・ブリュット・ナチュレ 【スペイン・カタルーニャ】【白スパークリングワイン】
➡︎ドザージュゼロの極辛口スペインのカバ。レモンや青リンゴを連想するフレッシュな酸味と気泡が特徴的で、餃子のカリカリした食感と挽肉の脂身と合わせられる。
ツァーリンガー グートエーデル 2018 【ドイツ】【白ワイン】
➡︎ドイツのグートエーデル種(スイスではシャスラ種と呼ばれる)。アルコール度数も低く柑橘系の香りがある軽めのワインという印象です。ニラやニンニクの香りと餡のコクに、さっぱりとした酸味と果実味に合わせられます。
2:水餃子
厚めの皮のもちもちとした食感と小麦のほのかな甘みが特徴です。餡にはニンニクが含まれていないので、タレに薬味を継ぎ足してもいいと思います。スープ餃子の場合はお野菜の出汁で旨味を引き出したり、好みでパクチーを入れても美味しいと思います。
【お勧めワインのタイプ】
●微発砲性白ワイン
●芳香性のある白ワイン
【合わせるポイント】
●餃子の生地の甘みに、微発泡性のフレッシュ感を合わせる。
●餡のコクと薬味の香りに、ワインの酸味とブドウのアロマを調和させる。
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
ポウコ・コムン・ヴィーニョ・ヴェルデ・アルバリーニョ 2018 【ポルトガル】【白ワイン】
➡︎ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ。微発泡性のアルバリーニョ種。柑橘系のアロマにミネラル感も十分に感じる味わいです。餃子の生地をパスタ料理と捉えると、このワインの魅了が最大限に引出される。
ヴィンツァー・クレムス グリューナー・ヴェルトリーナー・クレムサー・サングルーべ 2018 【オーストリア】【白ワイン】
➡︎オーストリアの土着品種グリューナー・フェルトリーナー。香草のようなアロマに若干のスパイシーさ、ミネラリーな味わいにさっぱりした骨格が非常に心地いいです。餡と薬味のバランスを、ワインのアロマとミネラルな味わいで楽しめます。
3:蒸し餃子
点心のスタイルで生地と餡の旨味をヘルシーに楽しめます。エビやホタテのような海鮮を餡に詰めるとコクが一気に増します。タレをつけずにそのままお召し上がりいただくこともお勧めしますが、味を変えるのに柑橘や生姜をタレに混ぜてつけて食べるのも美味しいです。
【お勧めワインのタイプ】
●果実味をふんだんに感じる白ワイン
●樽の芳香のある白ワイン
【合わせるポイント】
●餃子の本来の旨味に、チャーミングなタイプの果実味を合わせる。
●餡に詰めた海鮮の甘みやコクに、ロースト感のある香ばしいブーケを調和させる。
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
クラウドライン・ウィラメット・ヴァレー・ピノ・グリ 2017 【オレゴン】【白ワイン】
➡︎オレゴンのピノ・グリ。白桃や蜂蜜のような香りから、青リンゴのようなフレッシュな果実味とミネラル感が非常にいいバランスです。餃子の旨味とワインの旨味をシンプルに合わせます。柑橘系の薬味を合わせるとさらに味の幅が広がります。
ドメーヌ・モーリス・エカール ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・ペリエール 2018【フランス・ブルゴーニュ】【白ワイン】
➡︎フランス・ブルゴーニュの作り手、エカールのシャルドネ。華やかな香りにしっかりとした味わいです。海鮮の餃子に、若干樽熟成のブーケが残るワインのコクを合わせると美味です。こちらは生姜トッピングで味わっても面白いです。
4:揚げ餃子
日本で馴染みの深い揚げ餃子は、何よりカリカリした食感と餡のジューシーさが際立つ食べ方です。どうしても油を使うため、重たくなりがちですが、さっぱりとしたタレでバランスをとったり、逆にあえてコクを加えるためにマヨネーズをかけるてお召し上がるのもいいと思います。
【お勧めワインのタイプ】
●脂身に負けないコクのあるタイプ
●スパークリングの気泡で油分とバランスをとる
【合わせるポイント】
●揚げ餃子の油分やコクに、アルコールのボリューム感とミネラルでバランスをとる。
●さっぱりタイプやコクのあるタイプのソースでも、オールマイティーに対応できるスパークリングワイン。取り分け若干冷やしたロゼは抜群。
〜具体的なワインとマリアージュのポイント〜
ドメーヌ・ダヴィド・デュバン ブルゴーニュ・ロゼ 2018 【フランス・ブルゴーニュ】【ロゼワイン】
➡︎フランス・ブルゴーニュのピノ・ノワール・ロゼ。ミディアムボディーではありますが、樹齢50年のブドウから感じられるミネラル感や13,5%のボリューム感が、揚げ餃子の脂身やコクと合わせられます。
ロジャー・グラート・カバ・コーラル・ロゼ・ブリュット 【スペイン】【スパークリングワイン】
➡︎スペイン・カタルーニャ地方のロゼのカヴァ。赤ぶどうのみを使用し醸す時間も通常よりも短いため綺麗なサクラピンク色。きれいな酸や生き生きしたミネラル感、そして香ばしい味わいが非常にバランスが取れている。さっぱりタイプやこってりタイプの揚げ餃子に、オールマイティーに対応できる万能スパークリング。
いかがでしたか。
このサイトでは親しみのある日本食に合うワインを、味覚の観点からご紹介するブログ内容となっています。
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それでは楽しいワインライフを。
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