【イベント】フリースペース試飲@Congresso AIS 2018 Merano その2


【気になったワイン、その1】Cantina Terlanoテルラーノ社

Terlaner Terlano I Grande Cuvée 2015 ⭐️ 

Terlano Rarite  I° Pinot Bianco  2005 ⭐️ 

Sauvignon Quarz 2016 ⭐️


カンティーナ・テルラーノはアディジェ渓谷(ボルツァーノとメラーノ間)の中間地点にあるテルラーノという街に所在しています。

渓谷が南東から北西に伸びる中、その北側に所在しているので、太陽の光を十分に受ける恵まれた環境条件。しかしそれだけではなく、土壌の「石英班岩」と呼ばれる火山性凝灰岩で街全体が形成されているのが一番の特徴だと思います。つまりは岩が溶けて、固まった大きな岩の上に街全体があり、その場所でブドウも栽培されているという事です。


この会社は1893年に24のブドウ生産者が共同してできたワインメーカーで、当時から白ワインの生産には一目を置かれていた存在だったという事です。ちなみにこの時代は赤ワインの生産が8割近く生産されていたので、その意味でも希少価値は高かったと思われます。


ちなみにこの時代から引き継がれているテーマは『Longevitaロンジェビタ(長寿のワイン)』という事で、白ワインでも普通に10年、20年は熟成可能なのです。また年代物を飲んだとしても、フレッシュ感がはっきりと感じられるのが、この作り手の最大の特徴です。

最年長のワインはなんと、1893年の白ワイン「Terlanerテルラーナー」とのこと。未だに開けずに熟成しているんですって!魅力的ですね!!


Terlaner Terlano I Grande Cuvée 2015

2011年からプロジェクトとして始まったカンティナ内におけるトップライン。最高の品質のブドウと最良の畑から齎される品種を厳選しブレンドされる逸品です。

品種: 85% Pinot Bianco, 12% Chardonnay, 3% Sauvignon

畑:テルラーノから高台に登った標高250mから最大900mの畑(南から南西向きの斜面)

生産本数:3485本

発酵:1200リットルの大樽にてアルコール発酵、及びマロラティック発酵。引き続き12ヶ月のシュールリー。その後、2016年の春にブレンドを行い、その2年後に商品化。


色はカモミールのような濃厚な黄金色、粘性及び透明性が秀逸。香りは継続して様々な香りが感じられる。ハーブからシトラスフルーツ、若干のスパイス香にビスケットのような甘いニュアンスも含む。味は一方、飲んでから3秒ほどは骨格の厚みのみを感じ、そこから舌を中心をなぞるよに酸味が後味にかけて伸びていく。一方ミネラル感は舌の両脇奥に引き締める感じではっきりと存在感を出してきます。


Terlano Rarite  I° Pinot Bianco  2005

"Rarite"というレアーラインのスタートは1991年ビンテージのシャルドネが初めだったと思います。

当時ミラノのサドレルに勤めていて、樽熟成ワインにハマっていた自分には非常に衝撃的でした。

樽の香りがなく、十分な骨格が感じられ、尚且つフレッシュな酸味が特徴的で全体的に疲れない。

品種:100%Pinot Bianco

畑:テルラーノから高台に登った標高250mから最大900mの畑(南から南西向きの斜面)

生産本数:3300本

発酵:ステンレスタンクによる温度管理のもとアルコール発酵が行われ、マロラティックは50%のみ。引き続き12ヶ月のシュールリーを大樽にて行われる。その後、ブレンドされ10年近くステンレスタンクにて密閉状態で熟成。


はっきりとした黄金色。カモミールティーのような印象。香りはさっぱりとした爽快感のある印象。ハーブティーのなかにアプリコットジャムやトースト、ミネラル等の複雑な香り。味は幅の広い口当たりのあるストラクチャー。だんだんと舌の中心から両サイドに広がるミネラル感が生き生き。一方酸味は全体の骨格をおおう印象で包む印象。


Sauvignon Quarz 2016

テルラーノといえばアスパラガス!

アスパラガスといえばソービニョン!

ソービニョンといえばクアルツ!!

というような代名詞にもなるアイテムです。


この土壌の鉱物、石英(クオーツ)が名前の由来ですが、エレガントなストラクチャーに味の奥行き、ミネラル感が融合した逸品。

品種:100%Sauvignon Blanc

畑:テルラーノから高台に登った標高250mから最大900mの畑(南から南西向きの斜面)

生産本数:58,000本

発酵:アルコール発酵が半分ステンレス、半分大樽で行われる。9ヶ月間のシュールリー。その後ブレンドされ3ヶ月間の瓶内熟成。


はっきりとした麦わら色、粘性も透明感も十分。香りにはボリューム感があり、エキゾティックフルーツ、マンゴやパパイヤ、パッションフルーツのような爽快感。ここに加え、ミント、メリッサ、緑茶のようなハーブ香も感じられる。味わいは全体的に丸みのある骨格。口に入れてから滑らかなアタックを感じ、その後、酸味とミネラル感が舌を覆うように広がる印象。




ご興味のある方は上記からも注文ができるが、是非とも基本の「き」でもある『Terlanerテルラーナー』お味見いただきたいです。


ピノ・ビアンコからは酸、シャルドネからはマイルド感・骨格、ソービニョンからはアロマ。

これらをブレンドした逸品ですが、ここまでさっぱり飲めるか!と驚くようなコスパを感じていただけると思います。


ちなみに詳細は以下の通りです。


品種:60% Pinot Bianco, 30% Chardonnay e 10% Sauvignon Blanc

生産本数:220,000本

発酵:ステンレスタンクにて温度管理のもとアルコール発酵。全体の20%を大樽に移し、半年前後のシュールリー。その後、ステンレスのものとブレンドし瓶詰めされる。


色は艶のある麦わら色、ほんのり淵に緑がかる。香りは典型的な果実香。青リンゴや洋ナシを連想させ、一部ハーブティーやミネラル感が垣間見える。味わいは、滑らかなアタックから酸味とミネラル感が舌をなぞるように広がる。


Avvocato del Vino Altoatesino

【旧:南チロルの風ブログ】2003年よりイタリア・南チロル地方(イタリア語:アルト・アディジェ州)で働くソムリエが、ワイン生産者やイベント、地域について紹介するブログです! 【南チロルの風ブログURL: https://altoadigefiordiciliegio.blogspot.com/】

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