このブログは2019年の2月に「南チロルの風ブログ」から引越して立ち上がりました。このタイトルがついた理由と、そこに隠れている想いについて今回はお伝えしようと思います。
「アッヴォカート・デル・ヴィーノ・アルトアテジーノ(南チロルワインの代弁者)」とは・・・
私が好きなワインジャーナリストにロバート・パーカーという方がいます。この方の賛否両論は色々あると思いますが、彼が評価するワインの点数によって、その価格が乱高下するくらい業界にとっては非常に影響力があります。
なぜ私が彼に注目しているのかというと、1999年フランス・ボルドーのサンテミリオン地区にある、シャトー・ランジェルスに行ったことがきっかけでした。ワインのこともあまり知らなず、ただひたすらワイン産地を巡るという経験をしていた時だったのですが、当時無名だったランジェルスがロバートパーカーの執筆した専門誌の影響で一躍有名になったばかりでした。ワイナリーを見学した後、最後の試飲スペースで見せてくれたのが、その専門誌「ワイン・アドヴォケイト」だったのです。
「アドヴォケイト」とはその名の通り「代弁者」です。一定の主観はありますが、その専門誌の名前のセンスに魅了されたのと、また自分が大切にしている【ラベルの向こう側の想いを伝える】というのがリンクして、自分でも何かワインの情報を発信できるものはないかと考えたっときにファーカスしたのが、2003年から多面的に育ててくれた土地・南チロルでした。
以前のブログは2010年ごろから書き始めたのですが、ワイン情報だけでなく家族やプライベートなことも書いていました。なので「アドヴォケイト」という言葉は当時のブログ内容からは役不足でした。しかし今回、より深いことを書きたい、伝えたい、という思いから、新たにブログを新設することを決めました。そこであることを反芻してみました。
それは過去を振り返って、職場を変えてきたきっかけ、南チロルにきたきっかけ、ヨーロッパにきたきっかけ、ソムリエになろうと思ったきっかけなどなど、自分に影響があった【きっかけ】に注目してみたのです。するとすべてにおいて「ヒト」と「ワイン」というものが大きく関係していたのだ、というのに気付きました。
※私の経歴に関しては【noteノート】の『コラム:南チロルの風』に綴っておりますので、ご興味がある方はそちらもご覧ください。
そこで今までの出会いと成長させてくれた機会に感謝し、これから【生きる方針】として、今までお世話になった世界や業界・地域・関係者に向けて恩返しになるようなことはできないだろうか、と考えるようになりました。
例えば、お世話になったヒエラルキーのトップが両親だとするのであれば、日本の故郷、千葉、野田、長崎、そしてホテルスクール、スイス、イタリア、飲食・ホテル・サービス業会、ワイン業界、南チロル、ボルツァーノ、メラーノなどなど、土地や業界などが見えてきました。
またお世話になった先輩方も含めて、何かしらこれらに関係している方々に影響を与えられるような有益な情報を発信したいという思いで、今居る南チロルのソムリエという立場から「代弁者」を名乗らせていただきたいと思ったのです。
これからの時代、良いも悪いも「差別化」がポイントになってくると思います。それは個人差によって出てくるたくさんの意見に対して、それでも【我が道を行く】思いで、信念や理念がよりフォーカスされる時代だと思います。我々飲食業会人も直接的な人間関係だけでなく、オンラインによって繋がる関係、それは間接的な人間関係になるかもしれませんが、とても重要になってくると思います。
そのきっかけになるのが【情報発信】だと思うのです。
良い情報を発信すれば繋がりも増えるでしょうし、そうでなければ繋がり自体増えないでしょう。しかしそのアクション(情報を発信すること)を起こさなければ、次世代の飲食人は生き残れないと思います。
それはAIやテクノロジーが我々の仕事を代替していき、若い人材のみを活用した飲食店が増え、高級レストランも世代が変われば需要も変わり、より変化に対応していかなければ、スポーツ選手並の寿命の短い業界になってしまいます。そこで、この業界に携わった人たちが、ライフプラン・人生設計のヒントになるような考え方や指針というような深いところまでお伝えできればと考えています。
生産者の想いやワイン紹介、気付きやイタリアの現状だけでなく、日本のコンサルの会社で3年弱お世話になった会社員の時の経験、この業界にヒントになるようなサービスやテクノロジーの紹介なども同時に紹介できればと考えています。またたまには趣向を変えて、ワインと料理を楽しむ方法なども加えていきたいと思っています。
この業界を選んでよかった、この業界から得たことでこんなに自分は成長できた、この業界で活躍している人を応援したい、と思っていただける人が一人でも増えてくれたら、このブログが生まれた意義になるのでは、と思います。
このような理由から「南チロルワインの代弁者」が生まれ、このような想いでブログを書いていこうと思いますので、どうぞ皆さま引き続き、ご支援ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
平成31年(2019年)2月10日
山下 将士
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